――今回のアルバムに収録されている3曲の新曲について、それぞれどういった曲になっているか教えてください
「まず、『七色 MERRY→GO→ROUND』は、『恋の炎』や『マジカル★ジェネレーション』のような、どちらかというと女の子女の子した、甘い感じの曲ですが、テンポもよく、アレンジ的にもおしゃれサウンドが入っているので、甘すぎず、でもちゃんと甘いといった、いいバランスでの女の子感が出ている曲になっています。ちゃんと歌詞を見ながら曲を聴いてもらえると、男の子だったら、"こうされたい"、"女の子にこういう風に思われたい"って思う曲だし、女の子は逆に、"こんなことをしてあげたい"、"こんなことを言ってみたい"って思うような曲になっています」
――続いて「LOOP」は?
「ガシガシのバンド的な感じの音なのですが、バンドっぽい感じの曲って、意外といただいたことが少なくて、この曲はすごくお気に入りですね。ちょっとした荒々しさ、気持ちをストレートにぶつける荒々しさが、カッコよくて、このノリはいいなって思った曲です。作曲とアレンジをしてくださったMACARONI☆さんは、アニサマなどでもギターを弾いていらっしゃる方なんですけど、アニサマで初めてお会いしたときに、すごく私のことを気に入ってくださったんですよ。それで、『曲をいつか書かせてください』って言われていたのですが、こんなに早くコラボができる機会があるとは思っていなかったです。私のことを、本当によく思ってくださっていて、すごくいいサウンドを作っていただきました」
――最後は、タイトルチューンになっている「YOU♡I -we will be together」はどんな感じですか?
「普通、タイトルチューンは、一番メインでノリがよくて、ドカンと出す感じだと思うのですが、この曲は、逆にしっとりとしたメッセージソングになっています。5pb.の担当のプロデューサーさんから、アンコールでみんながサイリウムをゆっくりと左右に振るような感じの、感動するようなメッセージソングを作りたいというお話を聞いていたのですが、やはりアルバムでしかできない、オリジナルでしかできないような、榊原ゆいとしてのメッセージソングを作りたかったんじゃないかなと思います。ずっとお仕事を一緒にさせていただいて、私の歌に対する姿勢や、それをファンの皆さんにパフォーマンスとしてみせるやり方といったものを見てきてくれていたので、そういう意味で、『私の場所はみんながいるここだよ』っていう気持ちを、曲として書いてくださったのではないかと思っています」
――「YOU♡I」というタイトルについてはいかがですか?
「たぶん、私がやたらとファンの方のブログをみたり、ファンの意見を取り入れたりしているところを見ていらっしゃるので、私がファンのみんなのことを本当に大事にしているところを感じてくださったうえで、こういう曲を書きたいと思ってくださったのだと思うのですが、自分としてはちょっと恥ずかしいところもあります(笑)。このアルバムのタイトルも私が付けたんじゃなくて、いくつか候補があった中での、プロデューサーさんのイチオシなんですよ。見栄え的もかわいいし、意味合い的にも『あなたと私で♡(ラブ)』みたいな感じで、そして『ゆい』って読むんだ! って、すごく力説されました(笑)。担当のプロデューサーさんはちょっとクサいゼリフ好きなんですよ。最近では、次にどんな言葉が出てくるのか、ちょっと楽しみにしているところがあります」
――初回限定盤のDVDにはPVが収録されていますが、今回、なぜ「Eternal Snow」を新規で撮り下ろしたのですか?
「これまで5pb.さんからリリースした曲の中で、PVを撮っていないものから、何か撮り下ろしをしたいなって話がありまして、じゃあどの曲かといったときに、みんなが口をそろえて『Eternal Snow』って(笑)。本当に"せーの、Eternal Snow"みたいな感じでした。それぐらい、ジャケットの清楚な感じ、雪の降る中で、寒そうに、切なそうにしている清純な榊原ゆいのイメージがファンの方々の中でも大好評で、普段見れないゆいにゃん、みたいな感じですごく人気があったんですよ。いつも私があれだけ一生懸命にエロカッコいいことをしているのに、ファンの皆さんからは、今年一番のジャケットだとか、歴代でも上位だ、みたいな感想をいただいたんですよね。清純っぽいものってこれぐらいしかなくて、本当に今まで私が見せていない顔だったのが、たぶんクリティカルヒットになったんだと思います。ジャケットの写真だけでもこれだけ受けるのなら、これが動いたたらどうなるよって話になりまして、もう全員一致で、『Eternal Snow』のPVを撮ることになりました」
――「Eternal Snow」のPV撮影はいかがでしたか?
「ちゃんと雪を降らせましたよ(笑)。最初は、北海道に行くか、みたいな話もあったのですが、よくよく考えたら、泊まりになるし、雪が降っているかどうかもわからないし、たとえ降っていても、撮影のときに降るかどうかわからない。そして、実際に寒いので、たぶん私の唇が紫になりますよって話になりまして、本当に寒いところに行くのはやめて、普通に東京で撮ったのですが、雪は合成ではなく、ちゃんと降らせたいということで、人工で雪を降らせるマシンを使いました。スタッフさん二人がそのマシンを使って左右から雪を降らせてくれたのですが、すごく重いマシンだったので、本当にごめんなさいって思いながら……。でもすごくいい感じの、自然な雪のシーンが撮れたので、観ていただく方にには喜んでいただけるのではないかと思います」
――雪以外になにか撮影のエピソードなどはありますか?
「雪のシーンはハウススタジオの庭で撮ったのですが、雪が降っているのに、木や芝生が青々としているの不自然だということで、スタッフさんが超頑張って、雪のスプレーを木や芝生にかけてくれたんですよ。そのおかげで、とてもいい雰囲気になったのですが、スタジオって基本的に、現状復帰してからお返しするんですよね。なので、撮影後はすごく大変だったと思うんですよ。この木、どうやって元に戻すんだろうなんて思いながら、私はそそくさと先に帰らせてもらったんですけど(笑)」
――動いても清純な雰囲気は保てましたか?
「頑張りましたよ。本当に頑張りました(笑)。動いちゃうとアラが出そうになるのですが、そこは頑張りました。実は衣装はすべて私服なんですけど、以前使った衣装をふたたび使うとは思っていなかったので、探し出すのが大変でした(笑)。まさか一年越しでPVを撮影することになるとは思っていなかったので……。手袋なども全部そのまま、本当にジャケットのイメージままで頑張っていますので、楽しみにしてください」