SA001には「世界最薄」を実現するため、さまざまな薄型化技術が盛り込まれている。まず、「厚さ11.9mmを成し遂げるために、あらゆる部品で最薄のものを使用した」(大澤氏)という。特にスライド上部は、スライド機構の部品や固定のネジを極力排するなど、さまざまな薄型化技術を盛り込んでいる。薄型化に努めながらも、ディスプレイ部はステンレス素材、強化ガラス、液晶を一体化させることで、ボディの堅牢性を保っている。実際にSA001をさわってみるとわかると思うが、スライド部のつくりは驚くほどしっかりしており、スライドさせた状態で本体をひねってもビクともしない。

スライド上部のステンレス素材。ステンレスのパーツを組み合わせることで、強度を保っている。このステンレスパーツに液晶パネルや強化ガラスが貼り付けられる

本体下部にも薄型化のための工夫が施されている。バッテリーパックカバーに樹脂ではなく、強度のあるステンレス素材を使用することで薄型化している。「より薄く設計でき、剛性も確保できる」(大澤氏)。さらにステンレスの素材感を活かしたデザインにすることで、薄型化のための努力を感じさせない、調和したデザインに仕上がっている。テンキー部も薄型化のためシートキーを採用しているが、「可能なかぎり凸部を作って押しやすさに配慮しています」(同)という。

メールやブラウジングの操作性を追及した「ジョグキー」

多くの薄型化技術を盛り込んだSA001だが、その薄さのためスライドさせづらいということはない。前述したディスプレイ上部のグリップが"ひっかかり"になるからだ。このグリップについて大澤氏は、「スライドするときのグリップ感を大切にしようと考えました。これがデザイン面の特徴としても機能していると思います」と説明する。

グリップを付けたことで、スライド時に指をひっかけることができ、簡単にスライドできる。グリップ部とジョグキーはアルミ素材を採用している。グリップ部に配置されたボタンは、ヨコ位置での操作性を考えて配置されているという

SA001のデザインコンセプトである「GRIP IT」を象徴する部分と言えるグリップ。その中央に設置された「ジョグキー」もSA001の特徴のひとつだ。グリップ上部には、通話/終話などのボタン類が配置されており、中央にジョグキーが設置されている。

このジョグキーを搭載したことで、カーソル移動やメニュー選択などをスムーズに行うことができる。メール作成時の変換候補を選択するのにも重宝する。スライド端末は10~20代の男女、特に女性が好んで購入する傾向があり、これらのユーザーが使う機能を調査した結果、ジョグキーという結論に至ったのだという。

スライドケータイならではの機能とは?

SA001はスライド型の携帯電話ならではの機能を数多く搭載している。着信時にスライドを開けることで通話開始、閉じることで終了できる「オープン通話/クローズ終話」、スライドを閉じた状態で受信メールを表示した場合に、スライドさせることで返信メール作成画面に切り替える「メール返信」などの機能が利用可能だ。このほか、音声着信時にディスプレイ上に表示される相手情報を非表示に設定するプライバシー機能「着信表示」も搭載する。なお、非表示中でも簡単に一時表示することも可能だ。

音声着信時、ディスプレイに表示される相手情報を非表示に設定することもできる

また、「たのしくスライドを使っていただくための機能」(田中氏)として、スライドを開ける度にデータフォルダにある画像をランダムに待受画像として表示する「オープンシャッフル」機能を搭載している。同機能は、スライドケータイユーザーがついやってしまう、スライド部をカシャカシャと開閉させる動作から着想した機能だという。

「オープンシャッフル」はデータフォルダから、特定のフォルダを指定し、その中の画像をランダムに表示させる機能