ゲストOSのインストールに関して、つまずく場面はないかと思いますが、忘れてはならないのが統合機能のインストール。Windows XP Mode(=Windows XP Service Pack 3)は自動的に有効になっている同機能ですが、新たにゲストOSをインストールした場合、ユーザーが手動で導入しなければなりません。<ツール>メニューから<統合コンポーネントのインストール>を選択することで、自動的にISOイメージファイルがマウントされますので、画面の指示に従って進めましょう。
なお、インストールする統合コンポーネントのISOイメージファイルは、「C:\Program Files\Windows Virtual PC\Integration Components\IntegrationComponents.iso(64ビット版は、C:\Program Files (x86)\Windows Virtual PC\Integration Components\IntegrationComponents.iso)」として格納されています。再インストール時は設定ダイアログから、同ISO形式ファイルをマウントしてください(図12~17)。
図12 Windows Virtual PCの、<ツール>メニュー→<統合コンポーネントのインストール>とクリックします |
図14 ゲストOS上で自動再生機能が動作します。<setup.exeの実行>をクリックしましょう |
図17 インストールを終えるとゲストOSの再起動をうながすダイアログが表示されますので、<はい>ボタンをクリックします |
統合コンポーネントのインストールを終えたら、同機能を確認してみましょう。今回はゲストOSとしてWindows Vistaを用いていますが、前述のとおりWindows VistaはEnterpriseおよびUltimateエディションのみサポートされています。そのため、それらに属さないHome Premiumエディションの場合、統合機能を使用することはできません。
具体的にはクリップボードやプリンター&ドライブ、スマートカードなどのデバイスがサポートされなくなりますが、USBデバイスのマウントは可能ですので、最低限の使用は可能と言えるでしょう。なお、Ultimateエディションを用いた場合、これらの制限はありません(図18~21)。
図19 ゲストOS起動時には、統合機能の一部を使用できない旨を示すメッセージが表示されます |
ここで気になるのが、Windows Aeroの存在。Windows Virtual PCのゲストOSとして、Windows 7 EnterpriseもしくはUltimateエディションを用いた場合、Windows Aeroで実現するウィンドウフレームなどの透過機能が有効になります。これは、前バージョンであるRDP(Remote Desktop Protocol)6.0からサポートされたWindows Aeroによって得られる利点ですが、Windows VistaをゲストOSとして選んだ場合、Windows Aeroが有効になりません(図22)。
前回述べたRemoteAppを有効にする修正プログラムが必要なのかと調べてみますと、KB961741-v3としてWindows Vista版が公開されていました。早速、同修正プログラムを適用してみましたが結果は同じ。現時点では解決策を提示することはできませんので、Windows VistaをゲストOSとして使用し、Windows Aeroを有効にする場合は、VMware Player 3.0の併用をお勧めします(図23~24)。