「HP TouchSmart」シリーズは、Windows 7以前からタッチディスプレイを採用し、直感的な操作を実現してきた。オリジナルソフトの「TouchSmartソフトウェア」は、タッチで使える各種機能を統合したランチャーで、こちらも歴代の「HP TouchSmart」シリーズとともに鍛え上げられてきたものだ。HP TouchSmart PC 600-1060jpにおいても、画像をフリック・ジェスチャ(上下)/パン・ジェスチャ(左右)でめくりながら閲覧したり、マルチタッチで画像を回転/拡大縮小させたりといった、「タッチPCでこれができる」という動作を全てカバーしている。

「TouchSmartソフトウェア」のチュートリアル。まずはこの動画を見ると、どのようなアプリケーションや機能があるか把握しやすい

また本体前面の右下に用意されたボタンを押すと、いつでも「TouchSmartソフトウェア」を起動できる。「DVDモード」(DVD/Blu-rayコンテンツ再生)、「ピクチャ」(画像閲覧)、「ミュージック」(音声データ検索/再生/CDやDVDへの書き込み)、「ビデオ」(動画検索/再生/編集)、「ブラウザ」(専用独自Webブラウザ)、カレンダー(カレンダー/スケジュール管理)など、タッチ操作で使いやすいように工夫されたオリジナルアプリケーションに簡単にアクセスできる仕組みだ。

「ピクチャー」では、画像の表示/閲覧ほか、デジタルカメラや6in1メディアからの取り込みも可能。回転、トリミング、赤目補正などの簡易編集も行える

写真の共有/保存サービス「Snapfish」への画像アップロードも簡単

「キャンバス」は、画像の拡大縮小、回転やナナメ配置などが自由に行える、"コルクボード"のようなソフトだ。縦横に画像を整然と並べるのではなく、コラージュを作る感覚でレイアウトを決められる

専用Webブラウザーの「ブラウザー」。シンプルながら、指先でのタッチ操作の楽しさがわかりやすい

「メモ」は付箋タイプのメモソフトで、音声メモやビデオメモも作成できる

「ビデオ」では、動画検索/再生/編集が可能。動画配信サイトへのアップグレードも行える

またHP TouchSmart PC 600-1060jpは、地上/BS/110度CSデジタル放送対応のTVチューナーを搭載しており、Windows Media Centerを利用し、EPGによる番組検索や予約録画を行える(タッチ操作によるブラウジングが楽しく、思わずアレコレと録画予約をしてしまうはず)。タイムシフト再生、データ放送などもサポートするほか、ダビング10対応により、DVDメディアやオプションの「HPポケット・メディア・ドライブ」「HPパーソナル・メディア・ドライブ」への保存も可能となっている。

ハードウェアの使い勝手の面では、スタンドの構造が面白い。「HP ToushSmart」シリーズでは以前から採用されていたスタンドだが、画面最少角度5度から、最大角度40度までフレキシブルに調整できる。キーボードとマウスを使う通常利用時には5度で設置すると、奥行きが20cm以下とスマートだ。そして最大角度で寝かせるとタッチでの操作がしやすくなる。スタンドは5度の所でいったん「カチッ」と音がして止まり、その後は好きな開き具合まで引っ張って置く。本体を持ち上げると自動的に5度まで戻るという仕組みだ。スタンドはフレーム型で、上2/3程度を覆っているカバーは開閉可能だ。大型のACアダプタでも十分通すことができるため、ケーブル整理には都合が良い。

最少角度設定のスマートスタイル

タッチを存分に使える最大角度設定

カメラ角度を調整できるレバー

また、内蔵カメラを利用して遊ぶのも楽しい。ディスプレイ上部にカメラを内蔵している機種は多いが、HP TouchSmart PC 600-1060jpの面白いところは背面にあるレバーを操作することで、カメラ角度が自由に調整できる点にある。タッチ機能をより使いやすくするために、スタンドを大きく開いて本体を倒した場合、固定カメラだと天井しか写せないが、この調整機能を利用すればディスプレイを上から覗き込む最も使いやすい姿勢をとった時に、キチンと顔がフレームに収まるため、ビデオチャットなどに利用できる。カメラの撮影画像は非常に鮮明で、フレームを付けたり、録画中にスタンプを使ったりと楽しく遊べる。そして録画したファイルはYouTubeへのアップロードも手軽に行える。

電源ボタンは本体右側上部という変則的な場所に配置されている。3種の時刻表示を並列表示できる世界時計機能の存在を考えると、リビングで電源を入れたまま、気が向いた時にぱっと画面に触れて使うという形が想定されているようだ。大画面だけに通常のアプリケーションをタッチ操作することも容易で、タッチパネルは指先でもタッチペンでも利用可能。さまざまなシーンで直感的に操作できるだろう。