GLOBALFOUNDARIES
AMDのAnalyst Dayではあるが、当然ながらAMDと現状では密接な関係を保っているGLOBALFOUNDARIESについても話は出た。Photo21が同社の大雑把なロードマップであるが、32nm SOIはオンスケジュールで進んでおり、既にサンプル出荷は始まっており量産は予定通り来年第3四半期になるとしている。またこれに続き28nmプロセスや、更にはLPプロセスのスケジュールも明確にされた。
これに関して、もう少し細かな話がBreakout Sessionで行われた。まず同社は大きく3種類の製品ラインを用意する(Photo22)。まずSuper High PerformanceがSOIを使うもので、45/32nmに続き20/22nmの開発を行うとしている。また、SOIを使わないBulkのHigh Speedは28nmからスタートする。その一方、Low Powerについては40/45nmからのスタートを予定している。もっともどのプロセスも最初の第2四半期はrisk productionの時期なので(Photo23)、本格的に32nmで量産が可能になるのは2011年から、と見るのが正しいのかもしれない。プロセスの現状としては、32nm SOIはHi-K Metal Gateを含めてオントラックとされているほか(Photo24)、Bulkの28nmも順調としている(Photo25)。生産拠点はAMDのFab 30/36/38であったFab1と、ニューヨークで建設中のFab2であり、どちらも順調という話であった(Photo26)。
Photo22: 今回はあまり詳細は語られなかったが、45/40nm LPはChartered Semiconductorが現在提供する45LP/40LPを技術移転、もしくはCharteredのラインを使っての生産という形になるのではないかと思われる(今年9月7日に、GLOBALFOUNDARIESの親会社であるATICがChartered Semiconductorの買収を表明、11月4日に買収が成立した)。 |
Photo25: 少なくとも28nm-SLPは28nm-HPと同じプロセスであることが明らかなので、逆に言えば40/45nm-LPはやはりCharteredから導入するか、生産委託すると考えるのが正確だろう。 |
Photo26: これにCharteredのFab 7の分を合わせると、2012年の段階では10万ウェハー/月を越える(CharteredのFab 7は45000ウェハ/月の能力を持つが、こちらは40nm~130nmまで幅広い範囲の生産を行っているので、45nm以下となるともっと少なくなると思われる)程度までの能力を持つことに。 |
Financial
最後にこの話をちょっとだけ。現在、AMDは大雑把に言って21億ドルの負債を抱えている(Photo27)。現在CFOはThomas Seifert氏が勤めているが、彼がCFOになったのは今年10月8日の事で、まだCFOになって一カ月そこそこである。Conference callの中で氏は「自分の任務は、この債務にスムーズに対応することだ」と述べていた。具体的には1st Priorityは2015年の償還分で、これをスムーズに償還させるための借り換え資金の調達、第2が2012年の償還分をいかに削減するかで、第3がバランスシートの正常化であるとしていた。実際今回でずいぶんロードマップの大盤振る舞いをした背景には、こうした資金借り換えをスムーズに行うためには、未来の成長を信じさせるためのストーリーが必要という事もあっただろうと考えられる。そういう意味では、冒頭に触れたIntelからの12.5億ドルの支払いは、氏の就任への大ボーナスとも考えられる。これをどのように振り分けるか、というのは恐らく2009年度の決算報告に反映されると思われるだけに、ちょっと楽しみである。