急行「はまなす」(青森 - 札幌)

急行「はまなす」(写真提供: JR北海道)

JRで唯一の客車急行列車。下りは青森を22:42発、函館に1:00着、札幌に6:07着。上りは札幌発22:00発、函館2:52着、青森5:39着。青函トンネルが開業したときに、青函連絡船の深夜便の代替便として走り始めた列車である。その名残か、函館駅の停車時間は下りが23分、上りが30分と長めになっている。旅客にとって青函深夜便とは「早朝に青森や札幌に到着する」手段だったので、利用客の意向に沿って札幌発着となっているようだ。過去には秋田まで延長運転されていた時期もある。

1988年に誕生した当初は座席のみだった。その後、B寝台車や横になれる指定席「カーペットカー」、グリーン車並みの座席を指定席料金で利用できる「ドリームカー」を連結した。その結果、青函連絡船のサービスメニューによく似た構成になった。短距離を座席で利用する人、ゆったり眠っていきたい人など、さまざまな要望に対応している。

グリーン車並の設備「指定席」(左)、指定席料金で乗れる「カーペットカー」(左)(写真提供: JR北海道)

「はまなす」列車データ
運行区間 下りは青森(22:42発) -札幌(6:07着)、上りは札幌(22:00発) - 青森(5:39着)。毎日運行
設備 B寝台二段式、カーペットカー、ドリームカー(指定席)、自由席
運賃+料金(例) 青森 - 札幌間 15,540(B寝台二段式 1人分)、9.240円(自由席 1人分)

急行「きたぐに」(大阪 - 新潟)

急行「きたぐに」(写真提供: JR西日本)

寝台電車「583系」を使用する急行列車。深夜に出発し、早朝に北陸地方に停車する。下り新潟着は8:29と遅めだが、上りの大阪着は6:49と実用的な時間帯を走る。近畿圏と日本海地域の夜間移動に便利な列車である。

583系は日本初の寝台電車で、ベッドをたたむと向かい合わせ座席としても使用できる。そこで昼間は特急列車、夜は寝台列車に「変身」し、上野 - 青森間や近畿 - 九州間の列車に幅広く使われていた。しかし、時代の変遷とともにサービスが見劣りし、第一線の列車から退いた。昼間の特急列車としては「座席が常に向かい合わせでリクライニングしない」、寝台列車としては三段式「B寝台の狭さ」という点が不評だったという。

「きたぐに」は583系を使用する唯一の定期列車である。座席 / 寝台兼用という設備をいかして、座席車と寝台車を混成している。特急列車としては不評だった設備も、急行なら許容されたようだ。

「きたぐに」列車データ
運行区間 下りは大阪(23:27発) -新潟(8:29着)、上りは新潟(22:55発) - 大阪(6:49着)。毎日運行
設備 A寝台二段式、B寝台二段式、グリーン車、自由席
運賃+料金(例) 大阪 - 新潟間 19,530(A寝台二段式下段 1人分)、10,290円(自由席 1人分)