ソフトウェア関連は"黒船"襲来で活性化
CEATEC JAPAN 2009には海外からの出展者も数多く、面白いプロダクトを発表していた。フランスはオードセーヌ県に居を構えるSoBuzzyは、非常に精緻な3Dインタラクティブコンテンツを展示しており、「おっ、ゲームが何故CEATECに?」と筆者の興味を惹き付けた。「Showroom Studio」によって企業・製品イメージを尊重した仮想空間を構成することが可能で、手の込んだゲームからバーチャルショールーム、インタラクティブ性のあるコンテンツの配信を可能としている。
基幹技術はDassault Systemes社の「3DVIA」を用いており、デモンストレーションで見たトヨタフランス法人のバーチャルショールーム&ドライブゲームコンテンツは僅か3カ月で制作したというからSoBuzzyの技術力の高さには驚かされる。通信インフラが整い、大容量のデータ通信が実現化されてきた今、SoBuzzyが提供するリッチインターネットコンテンツは単なるインタラクティブ性だけではなく、広告という側面においても無限の可能性を秘めていると感じた。
SoBuzzy社CEOのウィリアム・ペレス氏が直接デモンストレーションを行ってくれた。画面では伝わりにくいかもしれないが、このドライブゲームのクオリティは本格派ゲームをも凌ぐ出来。それが容量自体はたったの5MBなのだとか |
海外からの黒船第二弾は、これまた3Dテクノロジーに光るものを魅せる韓国のキューテルソフト。Internet Explorerに標準で備わっているActiveX Control技術を用いた軽量な3Dビュアー「Q3DViewer」、Webサイト上で3Dコンテンツを構築・管理する統合ソフトウェア「Q3D Site Manager」、LightwaveやAutodesk 3ds Maxで作成したVRMLファイルを「Q3DViewer」用のデータへとコンバートする「Q3D Studio for Q3DViewer」、仮想空間ではお馴染みのアバターを作成、アニメーションをコントロールする「QAVATAR MODELER」や「QAVATAR ANIMAKER」など、日本では流通されていないソフトを展示していた。
面白いのはレガシーな赤青眼鏡による立体映像を生成するエンジンを標準で備えており、単に3Dコンテンツの制作だけではないということ。日本での流通にも意欲的とのことなので、今後是非ソフトウェアレビューを行いたいところだ。
お隣韓国からもうひとつ注目したいのが、ワンクリックでPCをバックアップすることができる「ZConverter Windows Backup」を発売しているISA Technologiesだ。こちらの「ZConverter」はヒュンダイなどの企業にも導入実績があり、Windows 7への対応も謳っている統合バックアップソフトで、主軸はエンタープライズ領域でのソリューションサービスとのことだが、同社Webサイトより無料版や期間限定の体験版をダウンロードして日本国内ユーザーでも利用することが可能(言語表示は英語)。試用期間で気に入ればライセンスキーを購入すればよい(ライセンス期間は1年間)という仕組みになっている。
筆者が特に注目したのが「ZConverter Server Migration」で、煩雑なサーバ移管作業の単純化と異機種サーバ交換時の面倒な負荷を低減することが可能なうえに、MicrosoftのHyper-VやVMware、Xenといった仮想化技術にも対応しているということ。サーバ技術者はチェックしておいても損はない製品と言えるのではないだろうか。