――絶妙バーガーはどのようにして生まれたのでしょうか。
絶妙ハンバーガーは絶品シリーズを超えるレベルを目指しました。ファストフード店のヘビーユーザを集めたグループインタビューを実施したところ、「絶品チーズバーガーはおいしいけれど、もう少し食べ応えがあってもいい」「野菜もほしい」などの声が寄せられました。そこで野菜をたっぷりと使い、素材同士の絶妙なバランスをテーマにした商品を開発したのです。
――野菜はトマトとレタスと、玉ネギを使用していますね。
絶妙ハンバーガーは「野菜にもこだわりました」と長元さん |
トマトはバンズとの相性を考慮し、ドリップ(汁)とゼリー(種)の部分が少なく、しっかりとした果肉のものを使っています。そのため、季節ごとに仕入先を変更しています。レタスは大玉で高品質なものを厳選し、従来は機械切りでしたが、いまは手切りにしています。手間はかかりますが、その方がパリパリ感が出ますね。玉ネギも鮮度のよいものを店舗でスライスし、玉ネギ本来の辛味や甘味を出しています。
――となると、店舗での仕込みが大変になりますね。
それはもう、従来のファストフード店の仕込みとはまったく違いますよ。そのために当社では店舗ごとに「三ツ星シェフ」という役職も設けました。絶品チーズバーガーでも料理人意識を強化したという話をしましたが、絶妙ハンバーガー導入時にはさらに"絶シリーズのプロ"となる「三ツ星シェフ」を設置し、本部からは役職バッジを担当者に贈呈しました。現場は劇的に変わりましたね。
――バンズやパティは絶品シリーズと同じものですか?
バンズは同じです。パティは使っている肉の素材は同じですが、肉のジューシー感を強化するために、超粗挽きの12mmで挽いています。通常の挽き肉は2~3mmですから(絶品シリーズは9mm、現在は12mmに変更)、どれほど食べた時の"肉感"が強いかがご想像いただけると思います。お客様からは「ステーキみたいな食べ応え」といった感想までいただいています。
絶品チーズバーガーと絶妙バーガーをあえて同じ単品360円に設定したのもポイントです。同じ価格で2つの味を食べ比べて欲しかったからです。今後も"絶品 & 絶妙"に続くヒットアイテムを創り出していきますので、ぜひご期待ください。
"早い・安い・うまい"の3拍子揃ったファストフードが、時代とともに進化を遂げている。素材追求型の商品を多く揃え、手間をかけてでもおいしさを追求するといった姿勢により、ロッテリアは従来のファストフード店とは明らかに一線を画す商品ラインナップとなっている。
「最初は現場から反発もありましたよ」と長元さんは明るく話されていたのだが、現場でガチンコ勝負が繰り広げられていたことは言うまでもない。ハンバーガー1つに人々の情熱と英知が結集されている。今度いただく時は、よく味わって、そして感謝しながら食べてみたい。