また、3Dグラフィックスはもちろんのこと、特にGPUをGPGPU的に活用したデータ並列コンピューティングでは、主役は大量のデータの方となる。つまり、ソフトウェアの実行における不都合が、「ある特定のデータにおいて発生する」という場合が多くなる。この場合、プログラム側に設定したブレークポイントだけでは、解決したい問題を特定できない場合がある。
そこでNEXUSでは、データ・スコープをトリガにしたブレークポイントも設定できるようになっている。たとえばCUDAでいえば、特定のデータ・ブロックを取り扱うときにブレークするように設定できるのだ。
変数値だけでなく、ブレークしたその時点での、そうしたデータ列を直接参照することも出来る。これは強力だ。変数値をポインタアドレスとしてそこからのビデオメモリ内容が見られると言うことだ。
生のメモリダンプはもちろん、特定のビュースコープを設定して、ベクトルデータとしてみることも出来る。データが主役なデータ並列コンピューティングには欠かせない機能だが、これをGPUネイティブでトレースできるというのは凄い。