Webサーバに高性能GPUが搭載される時代~Web Computing
基調講演の最後には、Web Computingをテーマに、非力なクライアントPCでも最上質のコンピューティング体験を得られるソリューションを紹介。
1つは、近日中に提供されると言われている、GPUアクセラレーションによってフルHD映像の再生に対応する新版Adobe Flashのデモの公開。もう一つは、Webサーバ側に高度なGPUを搭載し、Webクライアント側の入力に呼応した高品位な3Dグラフィックスをサーバ側でレンダリングしてWebクライアントに転送するインタラクティブ・レイトレーシングシステムの紹介を行った。これにより、グラフィックス性能が非力なクライアントPCでも、Webブラウザさえ動作できれば超リアリズム3Dグラフィックスをインタラクティブに動かせることになる。Web Computing(Cloud Computing)時代には、サーバに高性能な3Dレンダリング用途のGPUを載せることが珍しいことではなくなる……という未来像をNVIDIAは思い描いているのだ。
今回のGPU TECHNOLOGY CONFERENCEは、カンファレンス名にGPUとあるが、メインテーマは3Dグラフィックスではなく、CUDA、またはGPGPU関連ということになっている。このため、ゲームグラフィックス、リアルタイム3Dグラフィックスの話題については、なぞる程度だったのが印象的だ。
これは、主戦場をリアルタイム3Dグラフィックスではなく、GPGPU側にゆっくりとシフトしてきている最近のNVIDIAのGPU設計方針と無縁ではないだろう。
FERMIベースのGeForceが登場してきたときには、そのリアルタイム3Dグラフィックス性能が気にかかる。
(トライゼット西川善司)