Atomコアのデジタル家電向けSoC「CE4100」発表
昨年のIDFでKim氏はセットトップボックス(STB)向けのシステムオンチップ(SoC)「CE3100」を発表し、ネットとテレビ視聴との融合をアピールした。それから1年。PCのメリットをテレビに取り込む試みが、うまく一般消費者に浸透しているとは言い難い。それはKim氏も認めるところだ。だが、まだ開花の時期を迎えていないのだという。ラジオやテレビも、最初にハードウエアが登場した頃には、なかなか受け入れられなかった。「"ハードウエア"(ラジオ、テレビ)に、"コンテンツ"(番組)と"ビジネスモデル"(広告)が揃ったタイミングで、ようやく爆発的な普及が呼び起こされた」とKim氏。IPTVも同様に、開花の時期を迎えるには優れたユーザー体験とビジネスチャンスを見通せるエコシステムづくりが必要だという。
今年IntelはAtomコアを用いたメディアプロセッサ「CE4100」(開発コードネーム: Sodaville)を発表した。Intelアーキテクチャで初の45nmプロセスによる家電SoCだ。動作周波数は最高1.2GHz。2D/ 3Dグラフィックスの動作周波数はCE3100の2倍。Precision View、Media Playテクノロジを備え、CE3100との互換性がある。最大2つの1080pビデオのデコードをサポート。ハイエンドオーディオに加えて、新たにMPEG4のデコードに対応し、DivX Home Theater 3.0認定を受けられるという。NANDコントローラを備え、DDR2またはDDR3、512k L2キャッシュをサポートする。
コアがPentium MからAtomへと変わったものの、製造技術の微細化により小さなフットプリントと少ない消費電力で、従来と同等の処理性の備える。CE4100は製品設計の柔軟性とコストダウンをパートナーにもたらすものになる。
コンテンツおよびビジネスモデルに関しては、AdobeがIntelのメディアプロセッサを搭載したSTB上で動作するFlash Player 10のデモを披露した。プラットフォームビジネス部門担当GMのDavid Wadhwani氏はディズニーのフロントページを見せながら、Flash技術のオープン化(Open Screenプロジェクト)によって、様々な種類のハードで一貫したFlash Playerランタイム環境が実現するとアピールした。
続いてCBS MarketingのプレジデントGeorge Schweitzer氏が登場した。CBSはTV Widgetを用意している。その理由について同氏は、「パーソナル化」をキーワードに挙げた。視聴者の多くはすでに、自身で把握できる以上の番組コンテンツに囲まれている。どの番組を見るべきか分からなくなり、豊富なコンテンツが逆に視聴者の番組を見る興味を失わせているという。今後は番組コンテンツを提供する以上に、視聴者がコンテンツを管理し、そして見るべき番組を効率的に見つけ出せる環境づくりが重要になるとした。