結論
ということで、駆け足でRadeon HD 5870の性能を評価してみた。総じて、Single GPUでは現時点で最高速という評価をして差し支えないだろう。絶対性能という点ではまだ微妙にGeForce GTX 295に及ばない部分もあるが、こちらは今年中に発売予定とされるHemlockが本来競合製品であり、こちらと比較すべきであろう。
この製品が400ドル未満、というのはなかなかに恐ろしいものがある。現時点での平均市販価格はASUSTeK ENGTX285/HTDI/1GD3が4万弱、LEADTEK WinFast GTX 295(V2)が6万弱といったあたり。当初はご祝儀相場ということで多少高め(45,000円位?)になるだろうが、潜在的にはGeForce GTX 285と同等の値段でGeForce GTX 295相当の性能が入手でき、しかも消費電力は相当に低い。こうなると、現在のGeForce GTX 285/295を選ぶ理由が見当たらないほどだ。
勿論NVIDIAもこれに対抗し、40nmプロセスでDirectX 11対応のGT300系列の開発を急いではいる。が、(これまた真偽の程は不明だが)こんな話が出てくるようでは、市場に出てくるのは当分先な様に思われる。Radeon HD 5870も同じTSMCの40nmプロセスだが、かなり早くから筆者のところを含め潤沢にサンプルが出回っているところを見ると、Yieldはもっとずっと高そうだ。発売当初はかなり品薄になるだろうが、その先の供給は(NVIDIAに比べると)安定していそうに見える。
Radeon HD 5870の唯一のネックは、最初にも述べたボードの長さである。これは、組み合わせるマザーボードをかなり選ぶ事になる。その意味では、より長さの短い(そして更に100ドル近く安い)Radeon HD 5850を選ぶほうが、若干性能は下がるにしても幸せになれるかもしれない。