消費電力

パフォーマンス比較は以上で終了だが、最後に消費電力を比較しておきたい。実は当初はGPU-Zを使って精密な消費電力計測を行うつもりだった。例えばRadeon HD 4890の場合、こんな具合に細かく状態が記録できる(Photo61)。ところがRadeon HD 5870の場合、ステータスこそそこそこに表示されるが(Photo62)、センサーに関しては全滅(Photo63)。やむを得ず、システム全体の消費電力を測定することで代替した。

Photo61: Radeon HD 4890の場合、電源が2系統あり、両方の合計電力を加算するとGPU単体の消費電力がほぼわかる仕組みになっている。ちなみにRadeon HD 4870ではこれが1系統だった。

Photo62: とはいえMemory Sizeが0MBとかBus Widthが128bitなど、おかしい部分も。まだGPU-Zが対応していないようだ。

Photo63: このあたりは全面的に変わったようで、まぁGPU-Zのバージョンアップを待たないと無理だろう。

測定は、

Idle 何も行わない待機状態
Game #1 3DMark VantageのGame Bench 1をExtreme Profileで実行し、その際の消費電力の最大値を記録
Game #2 3DMark VantageのGame Bench 2をExtreme Profileで実行し、その際の消費電力の最大値を記録

の3つで行った。ちなみに消費電力はワットメーターで実効消費電力を測定しているので、GPU以外の諸々も全部加味した数字になっていることに注意されたい。

さて、結果を見るとまず目を引くのがIdle時の消費電力の低さだ。先にPhoto05で、Radeon HD 4870が90W、Radeon HD 5870が27Wという数字を紹介した。両者の消費電力の差は、そういうわけで63Wということになるが、実際のシステム全体の数値だとそこまで大きな差にはならない。とはいえ、193W対156Wだから、37Wほど節約できている計算になる。逆にピークではRadeon HD 4870が160W、Radeon HD 5870が188Wとなっているが、実際に結果を見るとむしろRadeon HD 5870の方が低くなっているのは、3DMark Vantage程度ではGPUがフルにはならないという事なのかもしれない。

ちなみに競合であるGeForce系は待機時、稼動時共により高い消費電力となっている。特にGeForce GTX 295はRadeon HD 5870と比較して100W以上消費電力が多くなっており、電力効率という観点で見ると勝負にならないほど悪いことが判る。