NTTドコモ小森光修氏による特別講演
最後に、NTTドコモの小森光修氏(Photo48)による特別公演が行われた。
まずマーケット概況(Photo49,50)を示した。問題はその中身で、やはり一人当たりのパケット通信量が確実に増えており、また動画データの比率がどんどん増えていること(Photo51)など、トラフィックの需要は今後も順調に伸びてゆくと想像されるため、より高速なネットワークが必要という事になる。
また逆にトレンドの面から見ると、大雑把にMobile NetworkはFixed Networkの5年遅れくらいで追従する傾向があり、ここから考えても2010年位にはLTEが登場するのは必然といえる。
Photo52:ただこの図を逆に見ると、LTEが立ち上がる頃には1Gbps前後のFixed Networkがなければいけない事になるが、今のところそうした規格は存在しておらず、ちょっと気になるところだ。まさか802.11nのTrunkingという訳にもいかないと思うのだろうが |
そのLTEだが、NTTドコモはLTEに関して標準化作業に早くから携わっており、ほとんどの携帯電話キャリアが次世代はLTEに移行することでもその方向性は間違ってなかった、としている(Photo53)。もっとも現在は、早くからサービスインをすれば先行者利益が獲得できる、というフェーズでは無いのは間違いない。単に帯域を増やしたからといって、ユーザが余分に料金を払ってくれる訳ではないからだ。
Photo53:標準化に早くから携わると、当然ながら早めに規格の方向性の見定めなどもできるし、ワーキンググループに入れば実装に関する検討を早くから行うことになるので、当然サービス時期は早めとなる。NTTドコモが早くからLTEのサービスを始められるのも、こうした標準化作業に携わってきたから、という面は間違いなくあるだろう |
こうしたこともあり、NTTドコモはサービス利用型フェムトセル(Photo54)やサービスの進化(Photo55)という形でLTEと連動するかたちで新しい利用モデルの構築を目指している。その一方で端末などに関してはオープン化を進めてゆき(Photo56)、その分もっとデザインやユーザインタフェースの多様化を図るとしている。また、その先の価値創造を目指した基盤研究を引き続き続ける、というのが小森氏のメッセージであった。