そして、Jim Zemlin氏は、Linuxには3つの挑戦課題があるとした。それは、

  • Linuxの製品化には、プロフェッショナルのサポートが必要な点

  • 標準化

  • オープンソースの法的な理解と共同防衛

Moblinは、MIDやNetbook、車載機器などのさまざまなプラットフォームを縦断的にカバーするもので、コード(プログラム)の再利用を促進するという

の3つであり、これらに対する回答の1つがMoblinであるとした。Moblinは、コードの再利用を可能にし、MID(Mobile Internet Device)だけでなく、Netbookや車載機器、組み込み機器、その他の製品にまたがって利用できる。Linuxには、さまざまなディストリビューションとそのバリエーションがあり、OSベンダー、ISVなどからなるエコシステムが分割された状態にある。これを標準化することで、1つの大きなエコシステムにできるという。現在その取り組みとしてLSB(Linux Standard Base)が作られているが、Moblinは、このLSBをベースにしているという。

同氏は、最後に「なぜMoblinか」という話でスピーチを締めくくった。前述のようにLinux Foundationは、このMoblinプロジェクトの運営主体となっている。つまり、これを推進していく中心となるわけだ。Linuxの発展のために作られた同組織が、なぜMoblinにここまで肩入れするのだろうか?

その理由としては、Moblinが、インターネット利用のために作られ、Linuxカーネルをはじめとするオープンソースプロジェクトをベースにしている点が挙げられ、すでに多くの種類の機器、マーケットセグメントの上で広く活動が行われていることが指摘された。さらに今後、Webによるサービスと統合されたシステムと、Linuxパッケージシステムにより、簡単に「アプリケーション流通」を構築できるようになるという。またすでに多くの著名企業が賛同していること、Moblinには、デバイスメーカーが独自のブランドを付けてカスタマイズし自社マシンに自由に搭載できることが挙げられた。

最後にZemlin氏は、Linuxコミュニティへの参加を呼びかけ、スピーチを締めくくった。