そして、コンバージェンスはPC業界のビジネスモデルを変化させるだろうと予測する。これまでハードウェアメーカーはマイクロソフトなどからソフトウェアを購入し、それをユーザーに向けて販売していた。その上で、アプリケーションやコンテンツのビジネスが独立して行われていた。これらの企業はどこにも手数料を払わず、単にこの市場から収益を上げるだけの状態だった。

これに対して、今後は携帯電話のようなビジネスモデルが導入されるだろうという。このモデルでは、デバイスはネットワークオペレータを介してユーザーに販売される。また、デバイスに搭載されるソフトウェアを開発する企業が、その上で動作するソフトウェアの流通を行う。このとき、アプリケーションメーカーやコンテンツプロバイダから販売手数料を徴収する。

現在のPCのエコシステムは、OSベンダー、デバイスメーカー、ユーザーが作るシステムの上に、アプリケーションベンダーやコンテンツプロバイダがのっかているだけのものだという

通信とPCのコンバージェンスにより、エコシステムが変わり、ネットワークオペレータが入り、OSベンダーがアプリケーション配布を行うような体制に切り替わっていく

このとき、Linuxでは、OSベンダーへのロイヤリティ(ライセンス料)が不要で、OSベンダーは、アプリケーション配布で収益を上げるモデルとなる

このとき、マイクロソフトのモデルではデバイスメーカーは依然としてライセンス料を払う必要があるが、Linuxではこれがフリーになる。そうなってもLinuxをデバイスメーカーに提供する企業は、アプリケーションやコンテンツの販売で収益が上げられるためビジネスが継続できるのだという。

トレンドの3つ目は、「Cheap」。どんなものも安価になってきたという。たとえば、携帯電話の契約をすれば、ラップトップがタダかそれに近い形で入手できるといったことや、定額料金を払えば無制限に音楽をダウンロードできるサービスなどの存在を指摘した。