いよいよカンファレンス開始。集まったプレスやバイヤーは実に約400名。ポップカルチャーのアイコンであり、ファッションウォッチでありながら高性能・高機能、たぐいまれなタフさを誇るG-SHOCKのユニークさを、様々な立場の人々がそれぞれの角度から語っていく。

「モダンペット」などで知られるplay set productsの中野シロウ氏が手がけたG-SHOCKキャラクター「G-MEN」も登場

世界最大の時計店・トルノーの副社長であるリチャード・ゲルマン氏からは、2009年に決定したトルノーとの提携について。カシオ 時計事業部 モジュール開発部 モジュール企画室 副主管・中島悦郎氏は、常に時代を先取りしていたカシオウォッチの歴史を振り返る。

1974年に発売された世界初・フルオートカレンダー搭載デジタルウォッチ「カシオトロン」から、1980年代に開発された天気観測機能搭載モデル、90年代のPCリンク/GPS内蔵モデル、2000年のデジカメ/MP3プレイヤー搭載モデル、そして最新G-SHOCKまでの道のりをたどり、デザインにはすべて意味がある、と語る。

どこにあってもいかなる状況下でも正確に時を刻みつける時計を。しかも機能的なだけではなく、スタイリッシュでなければならない。常に一歩先へと進み続けるチャレンジ精神、その土台に流れるのは「常識とされるものに、疑問を抱け」という信念だ。

商品の展示風景。特にコラボアイテムを念入りにチェックする人、多数

カシオアメリカ シニア・ジェネラル・マネージャー、デヴィッド・ジョンソン氏は高らかにこう宣言した。「G-SHOCKはたゆまず進化を続けます」と。

カンファレンスも進化する

ふと目に留まったのが、ステージの上で高さ2~3メートルの位置に固定された透明なオブジェ。
よく見ると水滴がポタポタと……巨大な氷の塊だ!
しかも中にはG-SHOCKが埋まっている。

G-SHOCKが埋め込まれた、氷の彫刻

カシオアメリカ副社長の伊東重典氏の合図と共に、床めがけて氷がドシン!! 大音量と共に、一面粉々に砕け散った氷の間からG-SHOCKを拾い上げた伊東氏、「この通り、ちゃんと動いてます!」と誇らしく掲げると場内は大喝采。

これ以上インパクトの強いタフネス・テストもないだろう。なんと3日も前からG-SHOCKを氷詰めにしていたそうだ。

その伊東氏にお話を伺ってみた。

常に刺激を与えるため、同じことは繰り返さない

――去年の25周年イベント後、G-SHOCKの人気や認知度がアメリカで爆発的に拡がったそうですが。

伊東「メディアの取り上げられ方は、5~10倍も増えましたね。カンファレンスでG-SHOCKの本当の凄さを理解してもらえたおかげだと思います」

カシオアメリカ副社長 伊東重典氏。腕にはBKCモデル「DW-6900BKC」が

――成功の理由は何だと思われますか?

伊東「アメリカでは、それこそ至る所で日々カンファレンスが催されています(笑)。でも時計という分野でこうした世界観を持つ商品を、大々的に展開したブランドはありません。ストリート・カルチャーも含めた若い人たち向けの戦略が、かえってアメリカ人にはまっすぐに伝わったのでしょう」

――今回の手応えは?

伊東「前回も開催しながら『これだけのメディアを集められた!』と感動していたんですが、今回は動員も取材も圧倒的に増えています。去年を超えるインパクトがあったという事でしょう。商品同様、マーケティングもカンファレンスも進化しつづけないといけない。同じことのくり返しは絶対せず、常に刺激を与え続ける。それが私たちのミッションです。今年は一歩踏み込んで、G-SHOCKのテクノロジーを紹介しつつ、独自の世界観を"人"(ブランド・アンバサダー)を通じて伝えられればと思います」……次ページへ。<カニエ・ウェストをはじめとする豪華ゲストが登場>