――監督にお伺いします。『にゃんこい!』を作るにあたってのテーマとネコたちを描く上で気をつけたことについて教えてください

川口監督「それでは、まずは気をつけたことについて。自分はネコを飼っていなくて、あまりノラネコとかも気にして見ていたことはなかったのですが、観察しだすと、相当に面白いんですよね。微妙な耳の動きや尻尾の動きとかが面白いなと思い、そこをできるだけ表現するようにしています。なかなか絵で描くのは辛くて、多少はごまかしている部分もあるのですが、そういうところも見どころのひとつだと思います。たとえば人間だったら、目パチとかするところで耳がパタってなったり、表情が付け難いときは尻尾の動きで感情を出したりとか……、そういうことをやっていますね」
浅沼「ニャンコマスターっていらっしゃいますよね」
川口監督「ニャンコマスターはネコ担当の総作画監督です」
浅沼「このアニメならではの役職ですよね」
川口監督「山根(まさひろ)さんは、ものすごく絵の上手い方で、基本的にはメカの人なんですよ。自分も昔から仕事をしたいと思っていたすごい方なのですが、まさかネコの作画監督として一緒に仕事をするとは思ってなかったですね(笑)」
浅沼「最終的にネコロボットにすれば……。そんなオリジナル展開はたぶんないと思いますけど(笑)」
川口監督「実は『にゃんこま!』で出てきます」
浅沼「ご期待ください(笑)」
川口監督「その山根さんがキャラの作画監督をやっている回もあります。6話です。あと、テーマは『ご町内感』といいますか……、トキワ町という町が舞台で、当然架空の町なのですが、一応、駅周辺は蒲田、住宅地のあたりは日吉のあたりがイメージになっていまして、一回ロケハンにも行ったのですが」
浅沼「聖地巡礼が始まりますよ(笑)」
川口監督「ただ、そこまで再現されているかどうか……。いい意味で田舎っぽいというか、住宅地っぽい感じで、住んでいる人も、商店街とかも、自分は中野に住んでいるのですが、中野ブロードウェイと似た感じの建物なんですけど、雰囲気は全然違うんですよ。すごい蒲田だって感じがして、そういう感じが何とか出ればいいかなと思っています。ネコと人が住んでいるという生活感、素敵な宇宙船地球号ネコ特集的な感じですね(笑)」

住吉加奈子 (cv. 白石涼子)

――好きな種類のネコとどういうところが好きかを教えてください

浅沼「昔、実家でアビシニアンを飼っていまして……」
井口「あー、私も言おうと思っていました。かわいいですよね」
浅沼「ごめん、とっちゃって(笑)。でも本当に飼ってたんだ。で、美味しそうにネコ缶を食べるので、美味しいのかと思って食べてみたんですけど、ちょっとね……」
川口監督「醤油をかければ美味しいですよ」
浅沼「間違えてソースかけちゃったんですよね」
川口監督「味が薄いじゃないですか」
浅沼「そうそう。味が薄いので、濃い味にしようと思ってソースをかけたんですけどね。まあ、もう一回食べたいとは思わないですね……。ネコの、ちょっとツンツンしているんだけどいろいろとマヌケなところが好きですね。イヌは完全に最初から『マヌケです! バカですよ!』っていう感じで来るので、こちらも『バカめ!』っていけるんですけど、ネコは、『私、インテリだから』みたいな感じでいながら、やっぱりバカなところがちょっと堪らないですね(笑)。皆さんも試していただきたいのですが、ネコってあくびをするときに絶対に目を瞑るんですよ。それで、あくびをして、大きく口を開いたところに、指をぐっといれると、一瞬びっくりするんですよ(笑)。それが堪らないですね。何回やっても、何回でもひっかかるんですよ。そんなバカなところが好きです」

井口「ネコはうちに三匹いて、みんな雑種なんですけど、共通しているのが真っ白なところなので、白ネコが好きかもしれないです。好きな仕草はいっぱいあるんですけど、男の子だと、仕草というより胸毛が大好きです(笑)。オスのネコの胸毛はものすごいんですよ。ライオンみたいにバっとしていて、すごくカッコよくて、お休みの日はずっと触っているぐらいです(笑)。あと、うちの子たち限定になっちゃうかもしれないのですが、イヌのような従順さではなく、ツンデレではあるんですけど、すごくくっついてきてくれるんですね。私が寝ていると、ポカポカ叩いて起こしに来て、遊ぼうってやってきたりだとか、顔を洗ってタオルで拭いていると、飛びついてきて一緒にグルーミングをしてくれたりするんですよ。私もネコだと思われているっぽいんですけど(笑)、そういったツンデレなんだけど、デレのときのかわいらしさ、その差がすごくかわいいなって思います」

白石「寝ているときに、ネコが両手で自分の顔を隠すんですよ。そして、顔の前に手を交差した状態で、手を顔に押しつけた感じで、伸びをするんですね。ンーって。それでまた力が抜けて、でもまだ手は顔にかかっているみたいな、そんな無防備さや……、あと肉球が好きですね(笑)。好きなネコの種類は、スリムな子よりは、ブニブニなお腹がタポタポするぐらいの子がいいですね。適度な感じで(笑)」

小林「どの種類というわけではなく、どのネコちゃんもかわいいと思います。小さいころ、よくうちの中にどこかのネコちゃんが入ってくることがあったんですよ。まだ小さかったので、ビックリしていたんですけど、なかなか出て行かない雰囲気とかもありまして。それを見て、かわいいなって思っていました。今でも、家の近所で、ネコちゃんが遠くから私を見つけて、走ってきて、そばに来て、撫でさせてくれたりするんですよ。私にすごくなついてくれるんですけど、誰にでもそうなのかなって思っていたら、ある日、知らないおじ様が手を出したときに、『ニャー』ってすごく怒り出しちゃったんですね。そんなネコちゃんの新たな性格を見て、いろいろと考えさせられました(笑)。やっぱりかわいいだけじゃなく、『何かあったらいきますよ!』みたいな、そんなところもかわいいと思います」

田中「1月に亡くしたネコがヒマラヤンだったのですが、16年間飼っていたので思い出がいっぱいですね。長毛のネコはグルーミングが大変なので、すごく思い出深いですね。あと、その子が亡くなった後に来た雑種のネコがいまして、ちょうど今6カ月ぐらいなのですが、お水が流れるのが大好きみたいで、トイレに入っていると、必ずガリガリと『開けて、開けて』ってやってくるんですよ。それで、水が流れると、洋式の便座に伸び上がって中をずーっと覗き込みながら、お水が流れるのを毎回毎回見ているんです。毎回やっているので、そんなにトイレがすきなのかなって思うんですけど(笑)」
浅沼「うちのネコはお風呂でした。すりガラスの向こうにじっと座っているのが見えるんですね。ガチャって開けると、お風呂のフタの上に載って、湯気をずっと浴びているんですよ。でもお湯が体にかかるのは嫌みたいで、湯気をずっと浴びていましたね(笑)」

川口監督「好きなネコは……、嫌いなネコならいるんですけどね(笑)。うちの実家で飼っているネコなんですけど、一人暮らしを始めてから実家で飼いはじめたので、俺のことを知らなくて、実家に帰って玄関を開けたら襲ってくるんですよ。俺んちなのに……。まあ、嫌いといいながらも好きですよ。かわいいヤツだなって思っています。『ケッ』て思いながら、いつも実家を後にするんですけど……」

ニャムサス (cv. 田中敦子)

タマ (cv. 福山潤)

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