また、もうひとつベースクロックを引き上げる方法でも、オーバークロックを試みた。既に倍率変更で3.80GHzまでは成功しているため、その近辺で試してみたのだが、OSの起動、PCMark05の起動と完走を確認できたのは233MHz×16倍=3.73GHzまで。3.80GHzにいちばん近い237MHz×16倍=3.79GHzが、コア電圧1.40Vでもそれ以上でもOS起動あるいはPCMark05でエラーを起こしたため、ベースクロックを引き下げざるを得なかったのだ。どちらにせよ、コアの耐性として3.80GHzあたりが限界なのだろうという結論に行き着いた。

PCMark05スコアでは、3.20GHz時の9529から、200MHz上昇するごとにおよそ350前後の上昇が見られ、3.80GHz時に10605という約1割強増しを記録した。一方、233MHz×16倍の3.73GHzでは、ベースクロックに引きずられることでメモリクロックも上昇する。メモリのクロック耐性が高いならば、メモリ性能でもベースクロック引き上げ分のスコア上昇という恩恵がある。結果3.60GHzと3.80GHzのほぼ中間のクロックでありながら、やや3.80GHz時に近いスコアとなっている点に注目したい。

ベースクロックを引き上げるオーバークロック手法では、倍率変更よりも若干低い3.73GHzまで完走を確認できた

ベースクロックを引き上げると、必然的にメモリクロックも引き上げられる。今回の場合、1333MHzでスタートしたため、ベースクロックを233MHzに引き上げた際のメモリクロックは1554MHzあたりとなる。ただしメモリモジュールのスペックとしてはまだ余裕

オーバークロック時のPCMark05スコア

暑さに負けるな!! 夏こそOC手腕を磨き1年通じて乗り切れるPCを目指そう

今回のテストは夏ということもあり、室温が30℃を超え、オーバークロックには過酷な環境だったと言えるだろう。奇しくも、前回のオーバークロック企画でCore i7-920を試した際とまったく同クロックで限界を迎えたこととなる。4GHz台を実現できなかった点は悔しいが、Phenom II X4 955 BEが2万円台半ば、Core i7-920が2万円台後半と、3万円以下で入手可能かつオーバークロックも楽しいCPUである。夏の自作PCは暑さとの戦いであるが、がまん大会よろしく、さらに過酷なオーバークロックにチャレンジしてみるのも一興ではないだろうか。