夏休み、そして秋の旅行シーズンにフランスへ行くという人は、すでにあれこれと計画を立てていることだろう。世界的な観光国であるフランスの情報は、いまや何でも簡単に入手することができる。しかし、あまりにも情報が充実していると、かえって見落としがちなことも出てくるもの。そこで、少し違った角度からフランス旅行のヒントをピックアップしてみた。フランスに行く人はもちろん、フランスに行く予定がない人も国内でフランスを感じてみてほしい。

【1】フランス美術を銀座で身近に感じる「MMF

銀座の一角に建つ小さいけれどフランスのエスプリ薫る「MMF」。メゾン・デ・ミュゼ・ド・フランス(MAISON des MUSÉES de FRANCE)の頭文字だ。「フランスの美術館・博物館の情報を発信する施設」として、フランス国立美術館連合(RMN)とDNP(大日本印刷)との共同プロジェクトとして、2003年にオープンした。

(左)MMFは、「買う、観る、調べる」ことができるフランス美術関連のスポット。ぶらりと立ち寄ってもおもしろい(上)1階のショーケース。さまざまなアクセサリーが並んでいる

1階と2階には、フランスの美術館・博物館でしか入手できないミュージアムグッズが展示されていて、購入することができる。アクセサリー類から、有名な芸術品にゆかりの品々まで、これほどまでたくさん見ることができるのは日本ではここだけだ。

3階のギャラリーでは、ルーヴル美術館が所蔵する銅版画原版から、1枚1枚、職人によって丁寧に刷り上げられたカルコグラフィー(銅版画)が展示されている。ゆっくりと鑑賞できるのはもちろん、こちらも購入可能。

ルーヴル美術館の工房で忠実に再現された複製彫刻。複製とはいっても、質の高さには驚かされる

各地から集めたパンフレット類も手にとって調べることができる

地下1階には、インフォメーション・センターも用意されていて、フランスの美術館・博物館に関する情報がどこよりも充実している。パリやフランス各地の美術館・博物館のパンフレットなどがまとめられたファイルは、ここならではの見事な情報源と言えるだろう。フランス語がわからなくても、スタッフが助けてくれる。また、後述する「Paris Museum Pass」が買えるのも便利だ(2日間パスのみ販売)。