まず、Sシリーズのカスタムメイドモデルが持つ従来との大きな違いは、シリーズが2つのモデルに分けられたことだ。春モデルが「S/C50N」のみのラインアップだったのに対し、夏モデルではWEB MART限定カラーの「オーシャンブラック」を採用したBlu-ray Discドライブ搭載の「S/D55N」と、スーパーマルチドライブ仕様の「S/D50N」が用意されている。
また基本スペックについては、搭載できるデュアルコアCPUの選択肢がIntel Core 2 Duo P8400(2.26GHz)/Intel Core 2 Duo P9500(2.53GHz)から、Intel Core 2 Duo P8700(2.53GHz)/Intel Core 2 Duo P9600(2.66GHz)へとレベルアップ。Blu-ray Discドライブを利用した映画再生、デジタルカメラで撮影した高解像度画像の編集/レタッチなど、ホームエンターテインメントならではの負荷の高い作業をさらにラクにこなせるCPUパワーを備えたわけだ。HDD容量に関しても、160GB/250GB/320GBから160GB/320GB/500GBへと拡充され、大容量データをより大量に保存しやすくなった。バッテリ駆動時間はIntel Core 2 Duo P8700を選んだ場合が従来と同じ約4.0時間、Intel Core 2 Duo P9600を選んだ場合は約3.9時間だ。家庭内で自由に移動させるなど"デスクノート"的な利用方法であれば困ることはない。家庭での"中核マシン"の購入/買い換えを考えているならば、検討に値するスペックを備えている。
家庭での中核マシンという点でいえば、デザイン面も見逃せないだろう。春モデルと同じく曲線を活かしたラウンドフォルムのボディーに、カスタムメイドモデル限定カラーの「オーシャンブラック」で更なる高級感を演出。従来は「ピンクパープル」と「ミルクホワイト」の2種類だったが、新カラーは同シリーズがメインターゲットにしている女性だけでなく、今後は男性にも人気が出そうなカラーといえる。実物を手にしてみると、Webサイトの写真から想像していた以上の光沢感に驚かされる。非常にクオリティの高い外装だが、パームレスト部分も外装と同じ光沢仕上げとなっているため、手の脂や指紋が目立ちやすいというのが唯一の難点だろうか(その分、こまめに手入れをしたくなる美しさでもある)。
今回は試用機なので、さすがに表面コーティングの強さを検証することはできなかった。しかし、シリーズの特性として据え置きおよび多少の部屋間移動が中心になるはずなので、アクティブに持ち歩くモバイルと比べてあまり傷付きにくさを求める必要もないだろう。
また、今回は構成に含まれていないが、統一感を出したい人には本体と同色の横スクロール機能付レーザーマウスが選べるのもポイントだ。