最後にクチコミの"詳細"部分だが、「客室の設備やアメニティなど、ハード面の説明は、他の国の人より日本人のクチコミが一番充実している」(同社)という。
【クチコミ例】
今回はデラックススイートに宿泊しましたが、全体に高級感のあるシックなインテリアでまとめられています。入り口に入ってすぐにビジネス用のライティングデスクが置かれ、その奥にはリビングルームが広がっています。ゆったり目のソファーやダイニングテーブル、CD&DVDプレイヤー付きのテレビも完備されています。窓も3面にあり眺めも最高です。その奥にはバスルームとベッドルーム、クローゼットが広がっています。バスルームはダブルシンクでもちろんシャワーブースも完備。シャワーは固定式とヘッド式がついているのも嬉しい。バスタブにつかりながらTVも見られます。
(資料提供:トリップアドバイザー)
確かに、まるでパンフレットのように客室の備品について詳細に書かれている。そのほか、宿泊しないとわからないプチ情報や読む人の身になってクチコミを書くのも日本人に多いそうだ。他のクチコミ例から抜粋すると、「バスルームは結構広めでバスタブも可動式シャワーもあり、特に子連れには使い勝手がいいです」や「……女性の場合なら、メイクを落として素顔のまま、あまり外をうろつきたくはないでしょうから、エレベーターの上下移動で移動が済むのもポイントは高いでしょう」などが挙げられる。そのほか、クチコミ確認スタッフは、「日本人は、ホテルの客室に"iPod"へ接続できる機器があるかどうかと可動式シャワーの有無について、よく書かれています。他の国にはない点ですね」という。可動式シャワーの有無は外国人に比べて日本人が身長が低いためかと思われるが、iPodが手放せないのは若者だけではなく、日本人全体に言えることなのだろうか。とても興味深い。
トリップアドバイザーでは、投稿されるクチコミを全て確認スタッフがチェックし、掲載している。チェックの方法は、ホテル関係者のクチコミではないか、誹謗中傷はないか、役に立つ情報か等々、マニュアルに沿ったかたちで行われる。仮に、ホテル関係者のクチコミの疑いがある場合は投稿者にメールを送り、真偽の確認をするそうだ。「そうやってクチコミのクオリティの維持をしていくことが大事だと考えています」(同社)。投稿から掲載まで時間は「ほとんど24時間以内に行っています」。
現在、同サイトがカバーしているエリアは6万8,000都市、宿泊施設は40万、観光名所は9万。クチコミの数は開始一年で11万件に上るが、同社代表取締役の山本考伸氏は「現状に満足しているわけではない」と語る。今後は、クチコミ情報を他社サイトへ積極的に提供していくとともに、国内の宿泊/旅行予約情報の充実、日本語サイトの独自機能の追加を図る予定だ。米国本社のTripAdvisorとは異なる、独自の日本語サイト「トリップアドバイザー」の成長に注目したい。