ビジネスシーンでインクジェットプリンタを使っていて少し残念に思うのが、普通紙にプリントしたときの印字品質だ。最近のプリンタや複合機は、出力解像度が非常に高く、細かな文字でもつぶれることなくキレイにプリントできるのだが、使う紙によっては若干「にじみ」が気になることがある。インクジェット専用紙を使えば、にじみのほとんどないプリントが可能だが、ビジネス文書などはコストを抑えるためにも普通紙を使いたいところだ。
そうした悩みを解決するのが、「顔料」系のインクだ。インクジェットプリンタのインクには、顔料系と染料系の2種類あり、それぞれに特徴がある。顔料系は固形の粒子を紙の表面に吹き付けて色を表現しているため、液体を紙に染み込ませて色を表現する染料系に比べて普通紙でもにじみにくいのがメリット。また、プリントした後、色が安定するのも染料系に比べると速い。
日本HPから新発売された、「HP Officejet Pro 8500 Wireless All-in-One」は、全色に、その顔料インクを採用しているのが大きな特徴になっている。また、4色独立インクを採用しており、一体型インクに比べてランニングコストを低く抑えられるのもポイント。出力解像度は最高4,800×1,200dpiで、粒状感の少ない高精細なプリントができる。
スキャン機能は、光学解像度が2,400×4,800dpiで、データ補完により最高1,9200dpiでの取り込みが可能。ファクスは、PCで作成したデータを直接送信できるPCファクス送信機能にも対応している。このほか、自動両面印刷機能や、ADF(原稿自動送り装置)などを装備しており、最大50枚までの連続コピーやプリント、スキャン、ファクスが可能だ。
なお、本体には、IEEE802.11b/g準拠の無線LANと、10/100BASE-TX対応の有線LANが搭載されており、家庭やオフィスでのネットワーク共有も容易。スキャンデータや受信ファクスデータをEメールの添付ファイルとして送信する「SEND機能」なども装備されている。