また、HSPA+の速度測定中に「TCP Monitor Plus」を使って通信速度をモニタリングしたところ、ピーク速度は下り12.670Mbps / 上り3.786Mbpsとなった。さらに、応答速度として、32bytesにおける「Yahoo! JAPAN」へのping値を測定(3回測定し平均値を計算)してみたところ、他の通信を行っている最中では72ms、通信していないときは228msとなった。
なお新宿南口では、モバイルデータ通信サービスとして競合になる「UQ WiMAX」と「WILLCOM CORE XGP」の速度も測定してみた。データ通信端末は、UQ WiMAXは「UD01NA」、WILLCOM CORE XGPは「GX000IN」を使用した。
その結果、UQ WiMAXが下り9.86Mbps / 上り1.92Mbps、WILLCOM CORE XGPが下り10.34Mbps / 上り8.76Mbpsとなった。UQ WiMAXは電波状態が良好でなく、上りの速度があまりでなかったが、下りの速度だけを比較するとほぼ互角となった。応答速度は、UQ WiMAXが128ms、WILLCOM CORE XPGでは34msだった。
今回行った速度測定では、HSPA+の最大速度はHSPAと比べて確実に向上しているのがわかった。通信の混雑が予想される日中のビジネス街などでの速度も気になるところだが、混雑を避けた早朝であれば下りはほぼ倍近い速度が出ている。従来の料金プランより1,000円高いが、この通信速度はユーザーにとって大きな魅力だろう。
また、HSPA+サービス開始時のサービスエリアは、東名阪および全国主要政令都市とそれほど広くないが、HSPA+に対応していない地域ではW-CDMA/HSPAでの通信が利用できるという利点もある。これは、UQ WiMAXやWILLCOM CORE XGPに対するメリットと言えるだろう。NTTドコモのW-CDMA/HSPAサービスと比べると利用できるエリアは狭いが、UQ WiMAXやWILLCOM CORE XGPと比べれば断然に広い。加えて、イー・モバイルは、2009年12月末までに全国人口カバー率60%以上を提供すると説明している。HSPA+サービスを契約を検討する際は、今後のエリア拡充を考慮しておくといいだろう。
(memn0ck/K-MAX)