次にHSPA+サービスの料金体系について説明しよう。用意されている料金プランは、完全定額プラン「データプラン21」と、二段階定額制の「スーパーライトデータプラン21」の2つ。これまでの「データプラン」「スーパーライトデータプラン」より月額利用料の上限額が1,000円高い料金プランとなる。

契約月額料金が最も安くなる「ベーシック+年とく割2(1年間契約割引)」における通常(W-CDMA/HSPA)プランとHSPA+プランの比較。HSPA+の料金プランには下り最大通信速度である21Mpbsを象徴した”21”が頭につく。スーパーライトデータプラン21で毎月上限額まで利用する場合は、端末料金が24,000円割り引かれる「新にねん(2年間契約割引)」のほうがトータルでは安くなる。どのプランでも基本的にHSPA+だと上限が1,000円高くなると覚えておくと良い

肝心の通信速度はどうだろうか。前述したようにサービス開始前の「準備段階」ではあるが、都内の一部地域では利用できるようになっている。実際に速度測定テストを行ったので結果をお伝えしよう。

速度測定は、東京都・千代田区の帝国ホテルの1階メインロビーと新宿南口付近の屋外の2カ所で行った。具体的には、独自に用意したサーバーにFTPで接続して、約50MBのファイルのダウンロード、約10MBのファイルのアップロードにかかった時間をそれぞれ3回計測し、平均値を出した。比較として、従来のHSPAサービスのみに対応した「D23HW」でも測定した。なお、HSPA+本来の速度を測定するために通信の混雑を避けた早朝にテストした。

屋内で測定を行った帝国ホテル1階ロビーの様子。パソコンは、工人舎「SH6WX04A」を使用

帝国ホテル1階ロビーにおける通信速度結果まとめ。左が「D31HW」で、右が「D23HW」。屋内アンテナが設置されているのか電波状態は良かった

帝国ホテルでの測定を行った結果、HSPA+の通信速度の平均は下り10.22Mbps / 上り3.66Mbps、HSPAの平均速度は下り5.21Mbps / 上り3.60Mbpsとなった。下りはきちんと増速の効果が働いているようでHSPAの約2倍の速度が得られたが、上りは最大通信速度が同じためほぼ同じ結果となった。

新宿南口付近でおこなった屋外での速度測定でもほぼ同じ傾向が得られた。HSPA+が下り10.06Mbps / 上り3.62Mbps、HSPAが下り5.02Mbps / 上り3.46Mbpsとなった。

屋外での速度測定は新宿南口付近で行った。パソコンは、パナソニック「Let's note T2」を使用

新宿南口付近における通信速度結果まとめ。左が「D31HW」で、右が「D23HW」