カッコイイとはこういうことだ - 3大モットーの追求
"JO-ZERO"のモットーその1は"かっこよさ"。中村社長も大ファンの"プラレス3四郎"、その劇中に登場する"プラレスラー"のイメージを具現化したいという想いから開発がスタートしたと言う。確かに、胸に入った"J"のマーク、読み変えるとまさに……! というネーミングなど、"あのプラレスラー"への熱いオマージュとなっているのが分かる。
実際の開発にあたっては、軸構成などの基本設計はあらかじめ中村社長が行なったが、人形は顔が命、ロボットもやはり顔が命! ということで、ヘッドパーツのデザインを本家の神矢先生に依頼し、それに見合うボディをデザインする手法を取ったとか。その他、神矢先生はカラーリングやコンセプトなどについても関わったそうだが、そうしたやり取りが進む中で4回ぐらいは設計をやり直したというから、中村社長のこだわりには敬服する。
とにかく、従来のように、仕様ありきで部品を積み上げたらこうなりました、といった形にはせず、理想のデザインを実現するためにはどうするか、という発想で設計を詰めていったそうだ。おかげで、これまでにないヒーロー的なフォルムを持った"カッコイイ"ロボットキットが生み出されることとなった。
続いて、モットーその2は"速さ"。最近はホビーロボット競技会でも参加ロボットの大型化が進んでいるが「大きいと場所も取るしお金もかかるし、軽くて小さくて速いロボットが欲しかった」と中村社長は語る。そこで、全高は300mmに抑え、本体重量はバッテリを除いて約800g、搭載時でも約860gという、同クラスの半分程度の軽さを実現した。アクチュエータには双葉電子工業の小型サーボモータ「RS304MD」を採用。トルクは比較的小さいそうだが、ボディが軽い分キビキビと軽快に動けると言う。また、約20分という長時間の連続動作も可能としている。
最後にモットーその3の"人間らしさ"。すらっとしたフォルム重視のデザインながら、標準で20自由度(全身で20関節、サーボモータ20個を配置)という高い自由度を実現している。関節構成は、腕:4(肩ピッチ軸およびロール軸、上腕ヨー軸、肘)×2本、各脚:5(股ロール軸およびピッチ軸、膝、足首ピッチ軸およびロール軸)×2本、腰:2(腰ピッチ軸およびヨー軸)で合計20。
同クラスのロボットキットの代表格、近藤科学の「KHR-2HV」および先日発表された「KHR-3HV」はともに標準17自由度で、JO-ZEROは両腕のヨー軸と腰ヨー軸が多い。これによりポーズの表現力も格段に高まっている。
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また、サーボモータ"RS304MD"はコマンド方式に対応しており、コントロールボードとの双方向通信が可能。内部の温度や電流といった情報をフィードバックでき、角度センサとしての役割も果たすため、プログラムを作れば、モノを抱えさせて大きさや重さを判断させることもできるという。決められたモーションで動かすだけでなく、自律動作の可能性も広がり、インテリジェントな面でも"人間らしさ"が追求されていると言えるだろう。
"STD-ZERO"も、基本的な構造はJO-ZEROと共通だが、両上腕のヨー軸と腰ピッチ軸が省略された17自由度で、ヘッドパーツや外装フレームも簡略化されている。その分、重量はバッテリを除いて約680gとさらに軽くなっており、連続動作も約30分と、より長時間の稼動が可能だ。