水平方向の視野角は十分広く、色の変移も少ない。ただし、垂直方向の視野角はIPS方式の液晶などに比べると、若干狭くなっている

本製品の液晶パネルは、現在主流になっているTN(Twisted Nematic)という駆動方式を採用している。TN方式のメリットは、中間調の応答速度を高速化しやすく、比較的低コストで作れる点にある。ただし、グラフィックアーツ向け製品に採用されることの多いIPS(In-Place-Switching)方式に比べると、若干、視野角が狭いのが難点。本製品も、水平方向の視野角はIPS方式の液晶に比べて遜色ないものの、垂直方向は視野角が少し狭くなっている。

ただし、視野角が狭いといっても、ノートの液晶のように画面の角度を少し調節しただけで色が大きく変化するというわけではない。そのため、実用上はほとんど問題にならないだろう。色再現性も、TN方式としては比較的優秀な方だ。また、今回試用した評価機に関しては、輝度ムラや色ムラもかなり抑えられており、使っていて違和感を覚えることはなかった。

この価格帯の液晶ディスプレイとしては、輝度ムラや色ムラもかなり抑えられている方だ

動画の表示性能に関しては、中間階調域で2msという応答速度を実現しているだけあってかなり高い。また、本機にはオーバードライブ回路「F-Engine」が搭載されており、最大50,000:1のコントラスト比で映像を表示することができる。実際にゲーム画面やムービーなどを表示させてみたが、動きの速いシーンでも映像は鮮明で、残像感はほとんど気にならなかった。