旅行に最適なムービーカメラを試す - ソニー ハンディカムHDR-TG5V

鎌倉に着くと、平日で朝早いのにもかかわらず、けっこうな賑わいを見せていた。観光案内所でもらった観光案内図を見ながら今日の散策ルートを考えてみた。

鶴岡八幡宮周辺をのんびり散策

鎌倉でアジサイというと、いくつもポイントがある。「かながわ花の名所100選」に選ばれた成就院や明月院も捨てがたいが、約2500株のアジサイが群生する長谷寺がやはり魅力だ。長谷寺なら近くに"鎌倉の大仏"で有名な高徳院もある。鎌倉駅から長谷寺までは約2km。江ノ電に乗るのもいいが、ゆっくり歩いて鎌倉の街を感じてみようと思う。最終目的地を長谷寺と決めて、まずは駅の近くから延びる参道を通って鶴岡八幡宮を巡ってみよう。

TG5Vを片手に出発。落下防止のため付属のストラップを手首に回して、液晶モニターは閉じた状態。気になった風景や面白い被写体を見つけたら、液晶モニターを開いて撮影すればバッテリーも持つだろう。一番最初に撮影したのは、駅前にあった案内図。これを静止画で撮影する。こんなデジタルメモとして使えるのもTG5Vのいいところ。

鎌倉駅前の交差点を曲がり、赤い鳥居を目指す。荷物が軽いので足取りも軽い。ちょっと歩いては立ち止まって、面白そうな店舗や風景を撮影する。仰々しい一眼レフだとか、いかにもなビデオカメラと違って、TG5Vは気兼ねなく撮影できるのがいい。歩きながら動画撮影をしてみる。ズームを使って大きく映さなくても、1920×1080の解像度を持つフルHD動画だから、細かいディテールもしっかり再現されている。普通に歩きながら店舗を撮っただけでも、軒先に並べられた土産物の1つ1つがしっかり写っているから驚きだ。

ほどなく、大きな赤い鳥居にたどり着いた。これが鶴岡八幡宮へ続く参道の入口、二の鳥居だ。この鳥居は七夕まつりの準備のため、飾り付けの真っ最中だった。かすかな風に揺れる吹き流しの動きを動画と静止画でも撮ってみる。しかし、一度動画で撮影し、同じ構図で静止画も撮影……なんて面倒なことはしなくていい。動画撮影中でもフォトボタン(静止画用シャッターボタン)を押せば、静止画を好きな時に記録できる。

というものの、動画撮影はやっぱり動画のみ集中したほうがいいと思う。動画と静止画の両方を気にかけると、どちらも中途半端なものになってしまう。そういったときは動画をしっかり撮影しておき、あとから付属ソフト「PMB(Picture Motion Browser)」を使って、好きな瞬間を切り出せばいい。動画撮影中の同時記録では最大230万画素相当(画角は16:9)の静止画だが、あとからPMBで切り出すと300万画素相当の静止画が得られる。このほうが高解像度なのだ。動画のみと割り切ってしまえばシャッターチャンスを探る必要はないし、後からじっくりとベストなタイミングが選べる。

ハイビジョンの高画質で参道を歩きながらの移動ショットを撮影したり、沿道の店舗を静止画で撮影しながら鶴岡八幡宮に到着。もうすでに入口から、修学旅行生がたくさん並んでいる。人ごみを避け、本宮へ向かわずに脇の源平池へ向かう。源平池には水面にハスが広がり、緑のじゅうたんのようになっていた。時期が合わなかったようで、残念ながら蓮華(ハスの花)は見られなかったが、見渡す限りのハスの葉を撮影。こういった広がりを見せたい時は、静止画ではなく動画が適している。ハイビジョンの高画質で、池を左から右へパン(ゆっくりとカメラを動かすこと)で撮影する。1枚にすべてを収める静止画と違い、動画は距離感を出しやすいのだ。ハイビジョンなら、葉の一枚一枚も鮮明に描写されているだろう。

鶴岡八幡宮をあとにして、賑わう小町通りを抜ける。これから名所に向かう人の流れに逆らって鎌倉駅方面に戻る。駅は朝よりも人が増えているようだった。これから目指すのは、今日一番の目的である長谷寺。そしてアジサイだ。

鎌倉駅から長谷寺までは単純な道筋で、一度通りに出てしまえばあとは真っすぐ進むだけだ。しかし、案内図を片手に歩いているのだが、どの交差点で曲がればいいのか不安になることもある。そんなとき役に立つのがGPS機能だ。TG5VはGPS機能を内蔵している。日本全国を表示する6,000kmから、細かな道路までを表示する25mの縮尺にまで対応し、いま自分がいる位置を正確に把握できるのだ。もちろん最新のカーナビほど高機能ではないが、今どこにいるのか、周辺はどうなっているのかは十分に把握できる。鎌倉周辺を表示すると、鶴岡八幡宮や大仏がアイコンで表示されとてもわかりやすい。長谷寺への道中でも、ちょっと小道に入って撮影をしているうちに迷ってしまったが、GPS機能のおかけで通りに戻ることができた。また、TG5Vで撮影した動画や静止画には、このGPS機能を使って撮影した場所の位置情報が記録される。この情報を元に、再生画面では地図上に撮影したポイントを表示。TG5V本体の再生画面でも地図表示ができるが、付属ソフトPMBを使うとより細かい表示が可能となっている。

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