「My Phone」の日本語ベータ版を投入するマイクロソフト
「日本の技術は世界を席巻できる」と熱く語ったマイクロソフト 代表執行役社長の樋口泰之氏 |
続いて、マイクロソフト 代表執行役社長の樋口泰之氏から、T-01Aが採用するWindows Mobileと、28日に日本語ベータ版の提供開始を発表した「My Phone」に関する説明が行われた。
樋口氏は、携帯電話のプラットフォームとしてのWindows Mobileの優位性について、「パソコン用のWindowsで培ってきたさまざまな技術・ソフトウェア資産を携帯電話上に実装できる」と説明。携帯電話がパソコンに機能的に近づくにつれてそれはますます強まると述べた。また、操作面においても、「パソコン用のWindowsを踏襲しているので、改めて分厚い取扱説明書を読まずに慣れ親しんだ操作で使える」とし、自信のほどを伺わせた。
Windows Mobile上のさまざまなデータを、Web上のサーバーにバックアップできる「My Phone」については、「本格的なサービスの展開(Beta版でなくなる時期)は、秋から」という見通しを語った。
My Phoneは、インターネットを通して連絡先、写真などWindows Mobile端末上のデータをバックアップできる。パソコンからの編集にも対応している。Windows Mobile 6.0以降の端末で利用できる |
低消費電力とハイパフォーマンスを両立した「Snapdragon」
Snapdragonについて説明するクアルコムジャパン 代表取締役会長兼社長の山田純氏 |
最後に、T-01Aに搭載されているチップセット「Snapdragon」を提供しているクアルコムジャパンを代表して、代表取締役会長兼社長の山田純氏が登壇。Snapdragonの特徴について、「なんと言っても低消費電力かつパイパフォーマンス。この2つを両立させたこと」と解説した。
Snapdragonが誕生する経緯については、「携帯電話やラップトップパソコンだけでは満たされないコンシューマー(消費者)のニーズがあると強く信じるようになった。その分野をカバーする新製品としてSnapdragonを打ち出した」と説明。「(ノートパソコンやネットブックを)電源を入れっぱなしで持ち運ぶのに抵抗がある。一方で、携帯電話は常に電源を入れっぱなしなのが当たり前」そのギャップを埋めて、ハイパフォーマンスなコンピューティングパワーのデバイスを、電源を入れっぱなしにして利用可能すべく、「数年前からゼロから開発を始めた」と解説した。
「Snapdragon」は、クアルコムとしては”CCP”(Computing and Consumer Products)という新しい市場への挑戦になる |
「Snapdragon」の特徴。ワンチップでさまざまな機能を提供できる。近日中には「(CPU部分を)デュアルコア化したモデルもリリースできる」(山田氏)と、アップデートの見通しも語った |
Snapdragonの開発段階においては、東芝が構想段階から協力していたという。山田氏は、「東芝の多数のエンジニアが、クアルコムの本社のあるカルフォルニアに来て、共同開発を行った。これほどディープな共同開発体制は、クアルコムの歴史の中ではきわめて異例なこと。今後も継続していきたい」と開発時のエピソードを語った。
中田英寿がCMキャラクターに。中田氏の財団との協力も
発表会の第2部は、T-01Aのプロモーションを担当する中田英寿氏が登場。中田氏が代表理事を務める財団「TAKE ACTION FOUNDATION」と東芝とのコラボレーションの発表や、同財団の活動報告が行われた。
TAKE ACTION FOUNDATIONは東芝と協力して、ワンクリックするたびに1食分の給食がケニアの子供たちに寄付される「+1クリックアクション」という取り組みを行う。「楽しみながら参加できる」(中田氏)ワンクリック募金式の取り組みは、パソコンまたはT-01Aから参加することができる。クリックされた分の給食費用は東芝が負担し、WPF(国連食糧計画)を通して給食が提供されることとなる。6月17日からの期間中に参加した人の中から10名が、今年の12月17日に行われる財団の活動報告を兼ねたパーティーに招待される。
(井上翔/K-MAX)