撮像素子は有効1230万画素のCMOSで、処理エンジンには「EXPEED」を採用する。初期設定の画質は、非常に色鮮やかなローエンド機D60とは異なり、彩度やシャープネスをほどよく高めたバランスのいい仕上がりになる。ピクチャーコントロール機能で画質の傾向を調整したり、カスタムピクチャーコントロールによって、自分好みの色を設定・登録することも可能だ。
感度はISO100-6400相当に対応し、1/3ステップで選択できる。このうち、ISO200よりも低い感度(ISO100/125/160)は減感設定となるため、ISO200に比べて階調がやや硬くなる。またISO3200よりも高い感度(ISO4000/5000/6400)は増感設定となるため、ざらつきや色むらが生じやすくなる。ISO800や1600あたりの画質は、同クラス製品の中でもノイズが少ない部類で、優秀な高感度性能といえる。
ピクチャーコントロールによる画質の違い。左から順に、スタンダード/ニュートラル/ビビッド/モノクローム/ポートレート/風景で撮影。[AF-S DX NIKKOR 18-55mm F3.5-5.6G VR / Large FINE(JPEG) / 4288×2448 / 30mm(45mm相当) / マニュアル露出 / ISO 200 / WB:晴天] |
動画機能は、最大で1280×720ピクセル/24fpsのハイビジョン記録ができる。ファイル形式はAVIで、音声はモノラルだ。D90の動画機能と同じく、動画撮影中のAF駆動には対応せず、最大サイズで最長記録時間5分という制約はあるものの、ボケを生かした動画など大型撮像素子ならではの動画表現を味わえる。広角レンズや魚眼レンズを付け、バリアングル液晶によって自由なアングルで動画を撮るのも楽しいだろう。
トータルとしては、ミドルクラスの製品に肉薄する内容の濃さといえる。ライブビュー時のAFスピードには課題を感じるが、それ以外のレスポンスは良好で、使用感は心地いい。機動力と応用力、自由度の高いカメラに仕上がっている。