バリアングル液晶を見ながらの撮影、つまりライブビュー撮影を行うには、ボディ背面の「LV」ボタンを押す。すると、カメラ内部のミラーとシャッター幕が一時的に開き、リアルタイムの映像が液晶表示される。そして、シャッターボタンを半押しするとAFが作動し、全押しした瞬間にミラーとシャッター幕がいったん閉じた後に撮影が行われる。

ライブビュー時のAFは、上位機「D3X」や「D700」とは異なり、AFセンサーを使った「位相差検出AF」の選択はできず、D90と同じく撮像素子で距離を測る「コントラストAF」のみとなる。そのためAFスピードはあまり速くない。特に薄暗いシーンでは遅くなり、合焦までに、通常のファインダー撮影時の倍以上の時間がかかることがある。本機に限らず、デジタル一眼レフのライブビュー時のAFは、スピード面にまだ課題があることを留意しておきたい。

カスタムメニューにて、ファインダー撮影時の「AFエリアモード」と、「ライブビュー時のAF」モードの選択ができる

AFエリアモードは、通常の「シングルポイントAF」のほか、測距点が自動で選ばれる「オートエリアAF」や「3-DトラッキングAF」などを選択できる

仕組みはいずれもコントラストAFだが、AFモードとしては4種類から選べる。人物の顔を自動検知する「顔認識AF」と、フォーカスポイントがやや広めの「ワイドエリアAF」、やや狭い「ノーマルエリアAF」、指定した被写体に自動追尾する「ターゲット追尾AF」だ。このうちワイドエリアAFとノーマルエリアAFは、背面のマルチセレクターによってフォーカスポイントをダイレクトに移動できる。スナップ的な撮り方ではワイドエリアAFが、狙った点に正確にピントを合わせたいときはノーマルエリアAFがそれぞれ役立つだろう。

D60や「D40」「D40X」と同じくボディ内にAF駆動モーターを持たない。そのため「AF-S」や「AF-I」以外の、旧タイプのAFレンズではマニュアルフォーカスでの使用になる

ファインダー撮影時は、液晶モニターに絞りやシャッター速度、感度、ドライブモードなどの各種の情報を表示できる。画面上の円形のイラストは、絞りの状態を表している

一方、新機能のターゲット追尾AFは、任意の被写体にフォーカスポイントを合わせ、マルチセレクターの上ボタンを押すことで、その被写体にAFを自動追尾するモードだ。最初にピントが合うまでには時間がかかるが、いったん合焦すればしっかり追尾する。ただし、動いている被写体を撮る際には、スピーディな位相差検出AFが働く、通常のファインダー撮影に切り替えたほうが確実だろう。

液晶モニターのインフォ画面は、デザインや背景色の変更ができる。背面左下のインフォ設定ボタンを押して、感度やホワイトバランスなどのパラメータ設定が可能だ

ボディ側面には、フラッシュモード/調光補正の設定ボタンと、好きな機能を割り当てられるFnボタンを装備する。手ブレ補正はレンズ側での対応となる

ファインダーは倍率0.78倍、視野率95%のペンタミラー式を採用する。D90やD60よりも倍率は低下したが、エントリー機としては標準的な見やすさだ。AFのフォーカスポイントは11点をダイレクトに選択でき、薄暗い場所でも動体でも、てきぱきとピントが合う。上位機から継承した3-DトラッキングAFでは、構図の変更や被写体の動きに応じて11点を自動的に切り替えることが可能だ。……続きを読む