外観と操作性を見ていこう。X3のボディは、ひと目見ただけではX2との違いは判別しにくい。滑らかな曲線を多用したボディラインはほとんど同じで、ボディサイズにも差はない。細部をよく見ると、外装の質感にざらつきが加わったことと、前面のグリップラバーの面積が広がったこと、モードダイヤルの色と形状が変わったことが分かる。各種のボタンの位置は同じだが、一部のボタンの割り当てが変更されている。

筆者の大きな手にはグリップがやや小さいが、持ちにくいというほどではない。X2と共通のオプションのバッテリーグリップを取り付け、ホールド性を高めることもできる。たとえバッテリーグリップを装着しても、中級機EOS 50Dを下回るボディの軽さは、Kissシリーズに共通したメリットだ。

電源を入れるとほぼ瞬時に起動し、液晶上に各種の撮影情報が表示される。液晶モニターは3型92万ドットのTFTで、サイズもドット数もエントリー機の中ではワンランク上だ。X2の3型23万ドットTFTと比較しても明らかに表示精度が高まっている。一方ファインダーは従来と同じく倍率0.87倍、視野率95%のペンタダハミラー式を採用。視認性は良好だ。

外観上の最も大きな変更は、モードダイヤルのデザインと外装の手触りが変わったこと

重量は5g増え、約480gとなった。左肩に動画用マイクを新設し、EOSロゴの意匠を変更した

9点の測距点を選べるAFシステムにも変更はなく、AFはきびきびと作動する。連写スピードは、前述したようにスペック上の数値はX2より低下したが、体感差はない。逆に、高画素化したにもかかわらず、JPEG最高画質やRAWでの連続撮影可能枚数はアップしている。X2では高感度ノイズ低減を「する」にセットすると連続撮影枚数が大幅に減ったが、その点も改善した。

従来はSETボタンでライブビューを起動したが、X3ではイージーダイレクトボタンを使用する

記録メディアはSD/SDHCメモリーカードで、電源には従来と同じくリチウムイオン充電池を採用

撮影モードはボディ上部のモードダイヤルで選択し、絞りやシャッター速度はシャッターボタンの後方にある電子ダイヤルで操作する。また、ISO感度とホワイトバランス、AFモード、ドライブモードなどの主要機能にはそれぞれ専用ボタンがあり、スムーズな設定が可能だ。

メニュー画面を呼び出さずに、各種のパラメータをダイレクト設定する「クイック設定画面」の状態

初期設定では「クイック設定画面」を割り当ててあるSETボタンに、他の機能を割り振ることも可能だ

操作面で新しくなったのは、EOS 50Dと同じく「クイック設定画面」に対応したことだ。使い方は、まず背面のSETボタンを押すと、液晶上の撮影情報のひとつが強調表示になる。そして十字ボタンで項目を切り替え、電子ダイヤルで値をダイレクトに調整する、という手順だ。感度やホワイトバランスなどは、専用ボタンでも設定できるし、このクイック設定画面でも設定できる。……続きを読む