巨大な「iPod」を彷彿とさせるクリアパッケージ。ノートPCの梱包としてはかなり異例だ

「Adamo」の箱を開けてまず最初に驚かされるのが、PC業界の常識を覆す梱包だ。一般的なノートPCが発泡スチロールや段ボールで外箱に固定されているのに対して、Adamoでは本体を挟み込む樹脂製のクリアパッケージを採用。どちらかといえば「MacBook Air」というよりも巨大な「iPod」を彷彿とさせるが、このままショーウィンドウに飾っても違和感がないほど洗練されたデザインに仕上がっている。

クリアパッケージを開くと、いよいよ世界最薄の超薄型ボディーが登場する。厚さ19.4mmの「MacBook Air」が手前に向かって傾斜しているのに対して、16.4mmの「Adamo」は全体的にフラットな設計。アルミ素材を削り出したシャーシの質感、そしてエッジの効いたデザインなどから、外観は「MacBook Air」よりも重厚な印象を受ける。

ただし、ボディー自体が極薄なだけに約1.81kgという重量がやや重く感じるのも事実だ。実際に「MacBook Air」は約1.36kg、14.1型ワイド液晶やスーパーマルチドライブを搭載する「Let'snote CF-F8」が1.63kgであることを考えると、光学ドライブなしでこの重量はモバイル用途を考えているユーザーにとって非常に惜しい部分といえる。

デザイン面でもう一つ特徴的なのが、Windows VistaとIntelのロゴが底面に記載されていること。しかも安っぽさが出てしまうシールではなく、プレートにレーザー刻印されているあたりがなんとも心憎い。こうした細かい配慮の積み重ねが、「Adamo」の持つ総合的な高級感に結びついているのだ。

パール・ホワイトは天板の下半分が幾何学模様だが、オニキス・ブラックではヘアライン仕上げになっている

Windows VistaとIntelのロゴは、底面のプレートにレーザー刻印で描かれている

高剛性ながら惜しむらくはキーボード

ディスプレイにはアスペクト比16:9の13.4インチワイド液晶を採用。本体に凹凸のないマグネット式のラッチレス構造となっており、薄型ながら液晶を開いた時のガタつきや歪みは一切感じられない。

解像度は1,366×768ドットで、試しに「マイコミジャーナル」のトップページを全画面表示したところ左右にかなりの余裕が見られた。また、画面全体を1枚のパネルで覆う「Edge-To-Edgeディスプレイ」が全体のフォルムを引き締めているのも好印象だ。そのほか、視野角については特に問題のない範囲で、外光の映り込みに関してもグレア液晶の宿命として納得できるレベルだろう。

アスペクト比16:9の画面を有効に活用できる1,366×768ドットの解像度

左右にかなりの余裕が見られるマイコミジャーナルトップページの全画面表示

キーボード部分には、バックライト付きのフルサイズキーボードが採用されている。フルサイズのためキーピッチについては十分な余裕があるものの、残念なのがストロークだ。極限まで薄型化を図った構造上からショートストロークになるのは仕方ないが、人間は優れた製品を見るたびに欲が湧いてくるもの。これだけ高品位なデザインを実現しているだけに、もう少し重みのある打鍵感が欲しかったところ。

また、キー配置に関してはEnterの右側にもキーが並んでいるため、ユーザーによっては若干慣れが必要になるだろう。キーボード裏のバックライトについては、デザイン性だけでなく実用性も兼ね備えている。特に薄暗い部屋でプレゼンを行う際などに重宝するはずだ。

19mmピッチのフルサイズキーボードを採用。Enterの右側にもキーが配置されている

バックライトにより暗闇で浮かび上がるキーボードは、プレゼンの際にも重宝する