かの有名な「ロマネ・コンティ」を産出

「ワインといえば? 」の問いに「フランス! 」と返ってくるのは、「もんじゃといえば月島」と同じくらいの高確率に違いない。その歴史から生産量、消費量にいたるまで、フランスは押しも押されもせぬワイン大国であることは自他とともに認める事実である。

日本に47都道府県があり、その地方地方で気候・風土の違いがあるように、フランスも地方により様々、そしてワインも然りなのである。我が国において知名度のあるものの1つにボルドー(地方)がある。輸出量は群を抜いており、映画等のメディア露出度も高い。マルゴーやムートンなら、飲んだことはなくとも聞いたことがあるという人は少なくないだろう。

そのボルドーと双璧をなすのがブルゴーニュ(英語の"バーガンディ"のほうが聞きなれている人もいるだろうか)である。実は、泣く子も黙る(?)世界最高峰ワイン「ロマネ・コンティ」を産出するかと思えば、有名白ワインのシャブリ、さらにはヌーヴォで名を馳せるボジョレーもこの地方に含まれる(ただし、ボジョレーに関しては独自の機関「ボージョレワイン委員会」のもとでの活動しているので、「ブルゴーニュワイン委員会」の活動にボージョレ地区は含まれない)。そこで今回は、プロモーションのために来日したブルゴーニュワイン委員会のイベントに参加し、ブルゴーニュワインの現状を探っていく。

ブルゴーニュワイン委員会とはフランス、ブルゴーニュのワイン生産者や卸売業者を統括する専門機関。ブルゴーニュ地域においてAOC(原産地統制呼称)認定活動の管理をしている。また、ブルゴーニュワイン、ワイン生産者、商業者を代表して公益を守り、技術的、経済的、マーケティングに関するポリシーの決定などの役割を果たすべく活動しているワインの業界団体なのである。

"数"ではボルドーに対抗できないが……

ブルゴーニュワイン事務局(BIVB)コミュニケーション委員会委員長で、ドメーヌ・パラン第13代当主でもあるアンヌ・パラン氏

さて、同委員会のプロモーションについてだが、"規模"という点ではやはりボルドーにはかなわない、というのが正直な感想。なぜならボルドーはブルゴーニュに比べて、作付け面積が大きい。そして生産者の数が圧倒的に多い。ということは生産本数も圧倒的に多くなる。それらを一堂に集めてしまえば、世界で生産されているワインのわずか0.3%というブルゴーニュにはまず軍配は上がらないと思うのがごく自然だからだ。

とはいえ、今回はなにもボルドーに対抗するために来日したわけではないことをお断りしつつ(当然のことだが……)、次ページでは、現ブルゴーニュワイン事務局(BIVB)コミュニケーション委員会委員長であるアンヌ・パラン氏の話を交えて"ブルゴーニュの今"をお伝えするとしよう。