ワークステーションを持ち歩くという発想自体は以前からある。しかしここまで強力な製品も珍しいだろう。レノボから発表された「ThinkPad W700ds」は、ただでさえ強力なThinkPad W700にサブディスプレイを加えたモデルだ。2つのディスプレイにクアッドコアCPU、タブレット、カラーキャリブレータを搭載したモンスターワークステーションノートの超弩級のパワーを体感してみた。

レビュー機の仕様  [CPU] Intel Core 2 Quad T9400(2.53GHz)  [チップセット] Intel PM45 Express  [メモリ] DDR3-1066 4GB×1  [HDD] 160GB×2  [光学ドライブ] DVDスーパーマルチドライブ  [グラフィックス] NVIDIA Quadro FX 3700M 1GB  [ディスプレイ] 17型ワイド(1,920×1,200ドット)+10.6型ワイド(768×1,280ドット)  [サイズ/重量] W410×D310×H51.4~52.2mm/約5kg  [OS] Windows Vista Ultimete SP1 64bit  [価格] 766,500円

ノートでデュアルディスプレイを実現するW700ds

前述したとおり、ThinkPad W700dsはW700をベースにサブディスプレイが追加された製品だ。液晶を閉じた状態では通常のノートブックと同様で、サブディスプレイはメインディスプレイの天板に収納されている。"いちおう"17インチワイドクラスなりのスペースしか消費しない。

収納時のサイズは(もちろん一般的なノートよりも大きいが……)17インチワイドサイズのノート並みに収まる

ただし一般的な17インチワイドノートと比べ、厚みはかなり増している。サブディスプレイの収納機構を備えた影響もあり、51.4~52.2mmとかなりの厚さ。やはり厚いと感じたノーマルのW700と比較してみても約1cm以上厚みが増している。

W700dsは薄型ノートの2台~3台ぶんの厚みがある。ただ、2枚のディスプレイを収めていると思えば、これも"アリ"なのかもしれない

サブディスプレイは、プッシュプル式で引き出すことができる。本体の電源オンで、シングルディスプレイ状態からサブディスプレイを引き出すと、最後までカッチリ引き出したところではじめてサブディスプレイ側の電源がオンになる設計だ。なお、サブディスプレイはカッチリ引き出したところで約30度ほど角度を調節できる。ワイドノートの右にさらにサブディスプレイが飛び出るため、この角度調節は必須といって良いだろう。

サブディスプレイはプッシュプル式で引き出す

これは途中まで引き出した状態。この状態ではサブディスプレイの電源はオンにならない

サブディスプレイは最後までカチッと引き出したところで電源オン。画面のアラートは、外部ディスプレイ使用時にはサブディスプレイが利用できない旨を伝えるもの