まさに最強のコラボ

これまでのAtom+945Gという組み合わせは、最新のプロセッサに数世代前のチップセットというアンバランスな印象があったが、このIONプラットフォームにより、弱点であったグラフィックス性能は大幅に改善される。Atomは低コスト・低消費電力に振ったCPUであり、演算性能はそれほど高くはないが、GeForceチップセットの動画支援機能「PureVideo HD」により、HDビデオの再生まで可能になる。

HDビデオを再生したところ、CPU負荷は50%前後を推移していた

CPUがAtomであるので、あまりヘビーな用途には向かないだろうが、内蔵GPUのCUDAも利用できるので、ある程度の動画編集くらいなら問題ないだろう。今回、比較は行わなかったのだが、「Badaboom Media Converter」でMPEG-2/640×480の動画ファイルをPSP用に変換したところ、35fps程度の処理速度があった。CUDA対応のアプリケーションが増えれば、もっと実用性は増すだろう。

Badaboom Media Converterで動画変換をテスト

問題は価格だ。Intel純正の組み合わせよりも高くなるのは確実だが、5万円前後から買えるネットブックにおいて、もし1万円も差があったら大きい。この価格帯では、性能よりもコストを重視するユーザーも多いだろう。とはいえ、8~10万円クラスのソニーのVAIO type Pがヒットしているように、価格だけではないのも事実だ。結局は、魅力的な製品が出てくるかどうか、にかかってくるだろう。

ちょうど、8日には台湾Acerから、初のIONプラットフォームの製品として「AspireRevo」が発表された。リファレンス機と同様の超小型PCになっており、体積はわずか1リットルだという。価格はまだ明らかになっていないが、同社はこの製品をネットトップとしており、どういった値付けをしてくるか注目だ。また個人的には、IONプラットフォームのMini-ITXマザーボードなども期待したいと思う。

Acerの「AspireRevo」。IONプラットフォーム初の製品