NVIDIAが昨年末に発表した「ION」プラットフォーム。Pico-ITXサイズの基板に、Intel Atomプロセッサと NVIDIA GeForceチップセットを搭載したもので、"小さいモノ好き"にとっては、とても気になる存在だ。遅ればせながら、リファレンスのシステムを試用する機会を得ることができたので、その性能を見ていきたい。
リファレンスPCの構成
前述のように、IONプラットフォームは、IntelのAtomプロセッサと、同社のGeForce 9400M Gチップセットを組み合わせるものだ。リファレンスPCは、実測でW145×D115×H42mm程度という手のひらサイズの小型PCとなっているが、同社はこのIONプラットフォームを、フルサイズノート、ミニノート、省スペースデスクトップ、オールインワンなどのPCに適用が可能だとしている。
一般的に、Atom採用のマザーボードでは、945G系のチップセットを搭載する製品が多いが、このGPUコアは数世代前のもので、今となっては非力な感じは否めない。一方GeForce 9400M Gは、内蔵グラフィックスとはいえ、DirectX 10世代であり、強力なビデオ再生支援機能も利用できる。1チップ構成のチップセットであるので、小型化に有利というメリットもある。
■プラットフォームの仕様比較 | ||
マザーボード | NVIDIA ION | Intel D945GCLF2 |
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CPU | Intel Atom | |
チップセット | NVIDIA GeForce 9400M G | Intel 945GC Express+ICH7 |
DirectX世代 | DirectX 10 | DirectX 9 |
ビデオ出力 | VGA/DVI/HDMI | VGA/Sビデオ |
メモリ | DDR3-1333 | DDR2-667 |
フォームファクタ | Pico-ITX | Mini-ITX |
ざっと比較したのが上の表だ。パフォーマンスの上では、DDR3メモリが使えるというのも有利な点だろう。
内部を見てみる
借用したリファレンスPCは評価用であるので、このデキを論じても意味はないのだが、これが結構すばらしい。このまま発売して欲しいくらいだ。小さいながらも、USBは6ポートを備えており、グラフィックス出力もVGA/DVI/HDMIと豊富。電源は、容量60WのACアダプタが付属している。
マザーボードは、Pico-ITXのメイン基板に、I/Oボードが付いた形になっている。メモリはSO-DIMM、HDDは2.5インチSATAが利用可能で、裏面のカバーを開けてアクセスできる。冷却ファンはメイン基板のヒートシンクに取り付けられているが、動作音は小さくほとんど気にならない。