CPUやメモリ容量、HDD容量といった基本スペックの面では、他社から発売されているNetbookと同様で、はっきりいえば目立った特徴がないわけだが、本製品には洗練されたデザインの魅力がある。
特にキーボードは非常に使い勝手がよい。ここはHP 2133から受け継いだ素晴らしい点で、キーピッチが広く成人男性でもストレスフリーで使えるレベルのキーサイズになっている。手前は一部幅が狭くなっているものの、極端に小さいキーはないし、[Ctrl]と[Alt]も左右に用意。それらのキーサイズもまずまずで、非常に短期間で慣れることができるキーボードといえる。
タッチパッドはやや横長で、ボタンは左右に配置される。左右のボタン配置自体は慣れでカバーできる(筆者はAspire Oneユーザとして体験済み)と思うが、むしろ本製品の左右ボタンはややストロークが長いのが気になった。その押し心地もフニャッとした感じがあり、何となく安っぽさを否めないのが惜しいところだ。
文字部分はキーピッチ17.5mmが確保されたキーボードは大きな魅力。最上段と最下段のキーもまずまずのキーピッチになっている |
タッチパッドは横長だが、わりと広く面積が取られている。左右のボタンがややチープなのが惜しいところ |
ソフトウェアの面では、HDDを衝撃から保護する「HP 3D DrivGuard System」が特徴的だ。これは本体内のモーションセンサーが本体の振動を検知した際に、HDDのヘッドを退避させることで破損を防ぐことができるもの。国産のモバイルPCなどでは採用例がある機能だが、安価なNetbookにもこうした機能を搭載しているのは大きな魅力になっている。
一方、気になる点も多少ある。一つは液晶ディスプレイだ。前述のとおり本製品では1,024×576ドットの10.1型液晶を採用する。多くのNetbookは1,024×600ドットの液晶ディスプレイだが、これはアスペクト比が16:10のパネルだからである。本製品は16:9比率のパネルを採用しているため、Netbookではただでさえ狭い縦方向の解像度がさらに狭まってしまっているのだ。
そもそも、HP 2133は8.9型ながらも1,280×768ドットという解像度の高い液晶を採用していたのも魅力だった。液晶は大きくなったものの解像度が下がり、一般的なNetbookをも下回る解像度にまで成ってしまったのは残念でならない。こちらにもあるとおり、米国ではHP 2140のBTOメニューとして1366×768ドットの液晶を選べる。このパネルを採用したモデルを、ぜひ日本でも出してほしいところだ。
16:9液晶を使っているため、解像度は多くのNetbookよりも縦解像度が狭い1024×576ドット |
マイコミジャーナルトップページを全画面表示した状態。24ドットは文字にして1~2行分のロスとなり、このサイズでは意外に大きい |
もう一つ気になったのはACアダプタ(約280g)とケーブルである。本製品はミッキー型の口を持つACアダプタとなるが、それに付属するケーブルが非常に太い。また、PC本体側のACアダプタのコネクタも大きめである。本体のデザインはモバイル向きにまとまっている一方で、ACアダプタのデザインがあまりモバイルに適したものと言い難いものなのは惜しいところである。