このセミナーの後、場所をメインダイニングの「OTTO SETTE(オット セッテ)」に移し、地元の食材を使ったイタリア料理と2つのワイナリー(勝沼醸造・ルミエール)のワインのマリアージュを楽しんだ。

政井茂シェフがつくり出す料理の数々は、味もさることながら見た目も非常に美しい。そしてイタリア料理のフルコースでありながら、料理名はフランス料理のように長い。なぜなら、そこには生産者の名前がきっちりと記されているからである。昨今謳われているトレーサビリティの意味もあるだろうが、何より「地元の人間が自信をもってつくった食材を責任をもって料理しています」という自信の表れなのではないかと思う(海がない土地なので、魚などの例外はあるが)。

メニュー
料理
アミューズ「山梨県中巨摩で採れたトマトのムース 牡丹海老のサラダを添えて」
前菜「八ヶ岳大泉、田中さんの育てた虹鱒と帆立貝柱のテリーヌ 長坂町八木さんの育てた色々な野菜をサラダに仕立てて」
2番目の前菜「八ヶ岳山麓玉子、放し飼い有精卵と中村農場甲州地鶏を使ったフリッタータ 山梨県産きのこのクリーミーなソース トリュフの風味を効かせて」
パスタ「山梨県須玉町皆川さんが育てた小麦粉を使ったタリオリーニ 豊後水道直送本蛤と八ヶ岳で採れたフレッシュトマトのソースで」
魚料理「駿河湾興津から届いた黒むつのロースト 白州町アウルファーム喜多さんの作った有機栽培蕪のピュレを添えて」
肉料理「山梨県小林牧場、小林さんの甲州ワインビーフフィレ肉炭火焼 フォアグラソテー添え 勝沼醸造で造られたワインの澱をソースに仕立てて」
最初のデザート「山梨県産葡萄を使ったファーストデザート」
デザート「国産の栗と白州町今井さんの"あかしあ蜂蜜"を使ったマスカルポーネクレーマ ミルフィーユ仕立てで 野辺山高原のジャージー牛乳ジェラートを添えて」
コーヒーと小さいお菓子

ワイン
「ルミエール ペティアン」: 微発泡白・ルミエール
「アルガクラレーザ 2007」: 白・勝沼醸造
「光 甲州 2005」(ルミエール): 白・ルミエール
「レザンファン ブラック・クイーン 2006」: 赤・ルミエール
「アルガーノ モンテ 2005」: 赤・勝沼醸造
「アルガブランカ ドース 2003」: 甘口白・勝沼醸造

アミューズ「山梨県中巨摩で採れたトマトのムース 牡丹海老のサラダを添えて」

前菜「八ヶ岳大泉、田中さんの育てた虹鱒と帆立貝柱のテリーヌ 長坂町八木さんの育てた色々な野菜をサラダに仕立てて」

2番目の前菜「八ヶ岳山麓玉子、放し飼い有精卵と中村農場甲州地鶏を使ったフリッタータ 山梨県産きのこのクリーミーなソース トリュフの風味を効かせて」

パスタ「山梨県須玉町皆川さんが育てた小麦粉を使ったタリオリーニ 豊後水道直送本蛤と八ヶ岳で採れたフレッシュトマトのソースで」

魚料理「駿河湾興津から届いた黒むつのロースト 白州町アウルファーム喜多さんの作った有機栽培蕪のピュレを添えて」

肉料理「山梨県小林牧場、小林さんの甲州ワインビーフフィレ肉炭火焼 フォアグラソテー添え 勝沼醸造で造られたワインの澱をソースに仕立てて」

最初のデザート「山梨県産葡萄を使ったファーストデザート」

デザート「国産の栗と白州町今井さんの"あかしあ蜂蜜"を使ったマスカルポーネクレーマ ミルフィーユ仕立てで 野辺山高原のジャージー牛乳ジェラートを添えて」

私的ペアリング例とその根拠

以下、あくまで私個人の見解であるが、マリアージュの感想を書かせていただく。アミューズのふんわりとして甘酸っぱいトマトのムースには、何といっても甲州種から造られたペティアンが合う。アルコール発酵時に発生する炭酸ガスをそのまま閉じ込めたやさしい発泡性ワインは、同時に食欲もそそる。

まるでお花畑のような色とりどりの野菜がたくさんの前菜にも、すっきりとしたペティアン、もしくはアルガクラレーザ(セミナーで飲み比べをした中の1つ)が合う。シュール・リー製法は爽やかでキレもあるので、あっさりめの料理にぴったり。

2番目の前菜は、非常に濃厚。玉子料理にワインを合わせるのはなかなか難しいといわれている中、光 甲州は2005年という日照量豊富なヴィンテージと24カ月の樽熟成で生まれるトロトロ感により、絶妙なペアリングとなった。

パスタはトマトソースを使ったもの。トマトを使っているとはいえ、煮詰めたソースはジャムのように凝縮感のある甘みもあるので、濃厚さときっちりとした酸をあわせ持ったレザンファンブラッククイーン、もしくはボリュームのある光 甲州と好相性だ。

次は魚料理。「魚料理には白」という概念は払拭されつつあるものの、皮目がカリッとローストされていて、さらに蕪のピュレで軽やかさがプラスされているといった内容だったので、私は先のアルガクラレーザを合わせた。

そして肉料理。欧米でも「○○肉のワイン煮込み」とあると、合わせるワインもその料理に使っているワインを選ぶのが定番だ。なので、勝沼醸造のワインの澱を使ったソースなら、勝沼醸造のワインを合わせるのが王道だろう。アルガーノ モンテ2005は比較的軽やかな品種「マスカット・ベリーA」を使用しているが、豊富な日照量のヴィンテージ、そしてオーク樽で1年熟成といった要素から、甘みもあってほのかなタンニンも感じられる。このしっとりと落ち着いた味わいは、肉の柔らかさとまったりとしたソースにはよく合った。

デザートには、デザートワインでアルガブランカ ドース 2003。ちなみにドースとは、"甘い"の意味。通常アイスワインは、ぶどうが畑で凍るのを待って収穫するのだが、これは収穫したぶどうを凍らせている。それにより糖分が凝縮されて、トロリとした甘~いワインになる。なおかつ、甲州ぶどうのもつしっかりとした酸も残るので、飲んでいても疲れない。蜂蜜を使ったデザートにはピッタリだった。

その土地で採れる食材をその土地の調理法で仕上げた皿に、その土地の酒を合わせる。基本中の基本であるこの行為、実は最高の贅沢なのである。この贅沢をひとりでも多くの人に知ってもらうため、また八ヶ岳山麓の活性化のため、リゾナーレはワインプロジェクトを通して情報を発信し続けることだろう。

リゾナーレのぶどう畑