Vistaから続いたエクスプローラのバグも改善
ここからは数値では示しにくい体感的な変更点をいくつかを紹介しましょう。Windows Vista SP2 RCに関する技術資料を読みますと、メジャーな変更を加えたコンポーネントのひとつにエクスプローラが加わっています。詳細情報が公開されていないため、推測の域を超えませんが、エクスプローラの応答性が高まったような印象を感じました。あまり良い比較ではありませんが、同等のCPUでWindows XPの32ビット版と64ビット版を比べますと、前者はメニューひとつ開く際でも数ミリ秒のディレイを感じますが、後者は瞬時に開くと言ったようなことも確認しました。
もうひとつの改良点がリネーム時に発生するフォーカスロスト。具体的には、エクスプローラが一覧表示モードの際に、一定以上の文字数を持つファイルやフォルダを選択した状態で[F2]キーを押しますと、右方向にフォーカスが移動するというもの。エクスプローラ上では1ページ送られることになりますが、リネーム状態は維持されるため、誤ってファイル名を変更してしまうなどの問題がありました。
Windows Vistaにおける改悪点のひとつでしたが、Vista SP2 RCで、ようやくこの問題が解決されています(エクスプローラ共通のバグだったのか、Windows 7ベータ版も改善されています)。リネーム時にテキスト編集領域をすべて表示させようとしたため、発生した改悪点だったと推測しますが、これで長いファイル名をつけてしまうユーザーも安心して使えるようになりました(図8)。
以上でWindows Vista SP2 RCの簡単なインプレッションレポートを終えますが、ご覧のとおりドラスティックな変更点は多くありません。それでもVista SP2には、700箇所の改良が施されており、前述のように些末なバグも修正されています(図9)。
Windows 7までのつなぎとなる可能性が高いWindows Vista SP2ながらも、サービスパックの登場は待ち遠しく感じる方も多いのではないでしょうか。現時点ではリリース時期も公表されていませんが、Windows 7のリリースタイミングなどを鑑みると第1四半期となる今年6月までには登場すると思われます(図10)。
図10: 「Hotfixes and Security Updates in Windows Server 2008 SP2 RC and Windows Vista SP2 RC」より。修正モジュールの数はちょうど700アイテムです |
阿久津良和(Cactus)