先日発売されたジャストシステムの「ATOK 2009」でも利用できる「ATOK ダイレクト API」を利用したプラグインの作り方を紹介します。ATOK 2009 になり、ダイレクトAPIの使い勝手が大幅に向上しています。本稿では、ATOK 2009 でダイレクトAPIがどう変わったのか紹介し、実際に Web API と連携するプラグインの作成方法を紹介します。
大幅強化されたATOK 2009とATOKダイレクト
ジャストシステムが日本語入力システム「ATOK 2009 for Windows」を発売しました。ATOK 2009 では、日本語変換エンジンが強化されたほか、英単語の入力を補完する支援機能がつきました。他にもプレミアム版を購入すると、英語辞書や国語辞書と連携することができます。そして、特に本稿で注目したいのは、「ATOK ダイレクト」が大幅に使いやすくなったという部分です。
「ATOK ダイレクト」とは、ATOK の機能を拡張する仕組みです。Perl/Ruby、そして、Python といったスクリプト言語を利用して ATOK の拡張プラグインを作ることができます。ATOK を使って漢字変換をする時に、特定の変換用のキーを押すことで、変換候補の欄に任意の情報を表示できるというものです。
スクリプト言語を用いることで、手軽にATOKの機能を拡張することができます。Web上のからデータを取り出したり、特定の書式で書いた入力を分析して特別な結果を返すことができます。
ATOK 2008に対応した「ATOK ダイレクト」については、以前その機能やインストールの方法などを紹介しました。
ATOKダイレクトAPI for Perl/Rubyで気軽にATOKを拡張しよう!
ATOK 2009になり、「ATOKダイレクト」は大幅に使いやすくなりました。スクリプトの作り方自体にはそれほど変更はないのですが、使い勝手が大幅に改善されています。
スクリプト言語には Perl/Ruby に加えて Python が使える
ATOK 2008では、スクリプト言語に、Perl と Ruby が利用できましたが、2009から新たに Python を使ってプラグインを作ることができるようになりました。Pythonファンには嬉しいニュースです。
コメントにXHTMLが表示可能になった
そして、これまでも、変換候補にカーソルを合わせるとコメントを表示することができましたが、そこへ新たにXHTMLを表示可能になりました。画像を表示させたり、文字を太字にしたり、文字にルビをつけたりすることができます。
より手軽に実行可能になった
ダイレクトAPIを実行するには、変換を行ったタイミングで [Ctrl] + [Insert] キーを押す必要があります。しかし、頻繁に利用したいプラグインであれば、もっと手軽に実行したいと思っていました。ATOK 2009 では、ダイレクトAPIのプラグインを任意のショートカットキーに割り付けることができるようになりました。
加えて、ATOKダイレクトを自動実行できる仕組みも追加されています。この設定にしておくと、特別なキーを押すことなく、ATOKダイレクトの結果を見ることができます。利用する雰囲気としては、ATOKの省入力候補に近い感覚です(この機能を有効にするためには、ATOKパレットのバーを右クリックすると出るポップアップメニューから、ATOKダイレクト>自動検索にチェックをつけておきます。)。
この「自動検索」を使わない手はないでしょう。ある特定の記法に応じて実行されるプラグインは、自動検索の対象として有効にしておいて、あまり使わないものや自動で実行されると煩いと感じるものは、ショートカットキーで実行するなど使い分けることで、より効率よく活用できそうです。