米NVIDIAが「GeForce GTS 250」シリーズを発表した。驚きだったのは何と言ってもその"お値段"。最新の「G200」コアでなく、「G92」コアベースの製品ではあるが、そのG92はそもそも、去年の今頃まではモンスター級のハイエンドGPUと認識されていた筈だ。上位モデルでも149ドルという価格設定は明らかに安く思える。

入手したGeForce GTS 250カードはASUSTeKの国内未発表カードで「ENGTS250」。出力端子はDVI-I×2、補助電源コネクタは6ピンが一系統のみ

では、その「去年のモンスター」を継承したGeForce GTS 250の実力は、現在の最新ハイエンドGPUと比較した場合にはどの程度のランクに位置づけられるのか? 今回はNVIDIAからGeForce GTS 250のメモリ1GB版を拝借できたので、「NVIDIA GeForce GTX 260」と「ATI Radeon HD 4870」、ついでに「NVIDIA GeForce 9800 GT」も用意。一気に比べて見ることにした。

GeForce GTS 250の仕様を確認

テストに入る前に、GeForce GTS 250のハードウェア仕様を改めて確認しておこう。同じG92コアをベースとしたGeForce 9800 GTX+との違いだが、メモリ容量が1GBのモデルが追加されているという以外、仕様面での目立った差異は認められない。

■仕様比較 (※一部推定)
GPU GTS 250 9800 GTX+ GTX 260(55nm) GTX 260
製造プロセス 55nm 55nm 55nm 65nm
GPUコア G92 G92 G200 G200
GPUコアクロック 738MHz 738MHz 576MHz 576MHz
シェーダクロック 1836MHz 1836MHz 1242MHz 1242MHz
シェーダプロセッサ数 128 128 216 192
ROPユニット数 16 16 28 28
メモリクロック 1100MHz 1100MHz 999MHz 999MHz
メモリインタフェース 256bit 256bit 448bit 448bit
メモリ容量 1GB/512MB 512MB 896MB 896MB
消費電力 150W(1GB版) 141W 不明 182W
価格 $149(1GB版)/$129(512MB版) $229(発表時) $229 $399(発表時)

なお、実際に今回拝借したグラフィックスカードに搭載されているGPUパッケージの刻印も「G92-428-B1」となっており、これがG92コアをベースとしたGPUであることを示している。

GeForce GTS 250のGPUパッケージ。刻印はG92そのもので、当然G200と比べるとサイズも小さい