意外とできていない"ピントの正しい合わせ方"

被写体はディスプレイの中央部分に捉え、ケータイを持つ手もしっかり固定して撮った。それなのに背景にピントが合ってしまい、肝心の被写体がボケ気味……そんな経験はないだろうか? これは、シャッターボタンを押せば必ずピントが合うものだと思って撮影した場合の失敗例である。うまくピントを合わせるにはどうしたらよいか? それにはまず、撮影する機種について知ることが必要となってくる。

現在発売されているカメラ付きケータイの多くにはAF(オート・フォーカス)機能が搭載されている。これは自動でピントを合わせてくれる機能だが、シャッターを切ると同時にピントを合わせる機種と、「シャッターキーの半押し」や「AFキーを押下」することで、ディスプレイに表示された四角いフォーカスポイントでフォーカスロック(ピント合わせ)をしてから撮影する機種がある。ほかにも撮影スタイルによって両者が切り替わる機種がある。自分が撮影する機種やスタイルはどちらのピントの合わせ方が動作しているかをあらかじめ確認しておこう。

フォーカスポイントでしっかりピントを合わせてからシャッターボタンを押そう

縦撮り用にハードキーにもAF用のキーが割り当てられている(W63CAのキーガイド表示=画像左)。機種によりキー部分にAFと表記されている(ドコモ、F-01Aの文字盤=画像右)

近くを撮るなら"マクロモード"切り替えを忘れずに

ピントがうまく合わない原因はほかにもある。撮影モードの設定ミスだ。初歩的ではあるが、通常モードとマクロ(接写)モードの設定を間違えるとピントは合わない。マクロモードはその名の通り、”被写体に接近して撮影”する際にピントを合わせるモードである。たとえば、カメラから5~10センチ程度の近距離にある花や雑誌の文字などを撮影する場合は、マクロモードに切り替ればピントを合わせることができる。逆に、マクロモードのまま離れた被写体(景色など)を撮影するとピンボケしてしまう。撮影モードの切り替え忘れはありがちなミス。撮影時、ディスプレイの画像を見て全体的にぼやけていると感じた場合は、被写体との距離に応じた撮影モードを確認しよう。

接写(マクロ撮影)の切り替えはサブメニューにある。チューリップのマークが接写の目印だ

ハードキーにもマクロ切り替えが割り当てられている(W63CAのキーガイド表示=画像左)。機種によりカメラ部分のスイッチなどで接写モードの切り替えを行う(イーモバイル、S01SHのカメラ部分=画像右)

近付いて撮影する際に接写モードでないと撮影したいものに全くピントが合わず、奥に写りこむ背景にピントが合ってしまう

接写モードに切り替え、AFでピントを合わすことにより画像の印象が良くなる

最近の機種では、被写体の”顔”を検知してピントを合わせるフォーカス機能が搭載されている機種もある。通常のオートフォーカスからの切り替えが必要だ

顔フォーカスに切り替えると自動で顔検出がされその部分にフォーカスポイントが表示される。人物撮りの際便利だが、通常のフォーカス機能でもピント合わせることが可能なので撮影しやすい方でピントを合わせよう

ケータイのディスプレイで見るとボケてないのに……

ケータイのディスプレイで見るとボケていない写真でも、ブログやSNSに投稿したものをPC用ディスプレイで見ると、驚くほどブレたりボケたりしている場合がある。小さなディスプレイでは、ピンボケ気味の写真でも意外とシャープに見えてしまうことがある(デジカメのディスプレイでも同様の経験はないだろうか?)。写真はディスプレイ上の出来だけを頼るのではなく、ブレない・ボケないように気をつけてしっかりと撮影したいところだ。