--今回のクラブメッド・バリの改装について日本人旅行客を意識したポイントはありますか?

マウアン氏「クラブメッド・バリでは日本人旅行客を重要な顧客と位置づけております。私たちは、日本人の旅行客には"リラックス"――すなわち、"リゾートの雰囲気""リラクゼーション""食事"を提供する必要があると考え、今回の改装のなかでもスパやレストランの雰囲気づくり、メインバーのリノベーションによって、その考えに合わせられるよう努めました」

新設されたスパは、世界的なブランド「マンダラ・スパ」系列。プライベートヴィラタイプのトリートメントルームでは、カップルで同時に施術を受けられる

--クラブメッド・バリのリユーアルは"2008年12月"に完了していますね。このタイミングには何か理由がありますか?

マウアン氏「もちろんです。これは、弊社のニューラグジュアリー戦略にそったリノベーションの一環です。5年前の2004年にチェラティンビーチ(マレーシア)を全面リニューアルしたのを皮切りに、2005年カニフィノール(モルジブ)、2007年プーケット(タイ)、サホロ(北海道)、2008年ビンタン(インドネシア)、カビラ(石垣島)とリニューアルを行ってきました。クラブメッド・バリはアジアパシフィック地区の"フラッグシップ"的存在。満を持してのリニューアル、と言ってもいいでしょう」

クワイエットプール。こちらのプールでは、プールサイドで本を読んだり音楽を聴いたりしてくつろぐ人たちが多い

--クラブメッドでは、1950年代から滞在中のドリンク、スパ利用などが最初のツアー料金に含まれる"プレミアム オールインクルーシブ"システムを取り入れていますね。"オールインクルーシブ"の場合、初期の価格設定が難しい気がしますが……

マウアン氏「"プレミアム オールインクルーシブ"システムで重要なのは、予算の管理とコストの価値(value of cost)です。お客様にとって手の届く範囲での予算であることと、それに見合ったサービスを提供できるかがポイントになります。クラブメッドは新しい取り組みとして、2月10日受付分から全ての商品を対象に"ベストプライス保証"制度を導入しています。これは、お客様が予約後、同一行程プランが新たにキャンペーン価格の適用になった場合に、クラブメッドがお客様にご連絡して差額を返金させて頂くという制度です。これにより旅行代金の変動にストレスを感じることなく予約を行っていただけると思います」

計2つあるバー。夜は1時近くまで営業しているという。ここでのカクテルもすべて"プレミアム オール インクルーシブ"の中に含まれる(一部有料)

--昨今の不況下で、従来の"オールインクルーシブ"のサービス提供は可能なのでしょうか?また、どのような対策を行う予定ですか?

マウアン氏「弊社の調査によると、旅行者は『お金の使い方は変わるが質は落とさない』ということが見て取れます。確かに今の不況下では、どの旅行客もシビアな視点で商品を考えると思いますし、お金の使い方は変わりますが、全体的な旅行人数は減らないはずです。不況だからこそ"上質"のサービスを提供し、追加代金を気にすることなく"プレミアム オールインクルーシブ"を利用してほしいと思います」

メインレストランのビュッフェリニューアルでは、インドネシア料理をはじめ、日本、中華、インド、韓国、西洋などのメニューがテーマごとに並ぶ。こちらのレストランのほか、予約制のスペシャリティレストランも利用できる