オリジナルの着信音もつくれる「Touch Session」
――タッチパネルを楽しく使える機能として「Touch Session」というアプリも内蔵されている。世界11種類の楽器の音色をタッチ操作で楽しめる機能だ。
商品企画チームの佐合氏 |
佐合氏 ピアノ、エレキギター、ドラムといったポピュラーな楽器から、南米のサンポーニャ、インドネシアのガムランなど珍しい楽器も収録しています。ヤマハのオーディオエンジンを使っているので、楽器の音色の再現性が高く、楽しく演奏していただけると思います。モーションセンサーとの連動により、マラカス、ハンドベルなどは端末を振って音を鳴らすこともできます。
――この「Touch Session」で演奏した音は録音でき、それを着信音に設定することもできる。
佐合氏 16トラックまで重ねることができるので、かなり凝った音づくりが楽しめます。「Touch Session」は縦に開いたオープンスタイルにするとキーでも操作できます。タッチパネルは1点反応なので和音を出せませんが、ダイヤルキーを使えば複数のボタンを同時に押して和音を出すこともできます。また、プリセット収録されている雨の音や街の雑踏の音などをBGMとして、演奏した音に重ねることもできます。
――作成したメロディはSMAF形式(.mmfファイル)でデータフォルダに保存できる。メールや赤外線で友人に送るといった楽しみ方もできそうだ。
デザインコンセプトは「アーバンフィットネス」
――au Smart Sportsのフルサービスに対応し、auの春モデルでは唯一「カロリーカウンター」を使えることもCA001の特長。とくに、イエローのモデルはau Smart Sportsのフラッグシップモデルと位置づけされている。筐体デザインにおいては、使いやすさと同時に"スポーツ性"を採り入れることも課題となった。
花房氏 昨年のW61CAもスポーツをコンセプトにデザインしましたが、W61CAが「モードスポーツ」であったのに対し、今回のCA001は「アーバンフィットネス」。本格的なアスリート志向ではなく、生活の中に自然にスポーツを採り入れている層にフォーカスしました。
――デザインを担当した花房氏が、CA001をデザインする上で大きく印象を受けたのはヨーロッパの"プレミアムフィットネスグッズ"だと言う。
CA001のデザインを担当した花房氏 |
花房氏 調査のためにヨーロッパを視察したときに、セレクトショップなどで、スポーツ器具とは思えないような高価でインテリア性の高いグッズを見かけました。たとえばダンベルが数万円もしたりします。そのダンベルは、素材が無垢の金属でかたちはシンプルな円筒形。取り落とさないよう革のベルトがついているなどさりげない配慮がされています。質感が高く、そのままインテリアオブジェになるようなものでした。それでいて、運動器具としての性能もしっかり備えている。このテイストをケータイに採り入れられないかと着想しました。
――その結果、生み出されたのが"パネル&フレームデザイン"だ。
花房氏 すっきりと垂直に立ち上がったフレーム状のケースがぐるりと側面全周を覆い、適度にハリのあるパネルを表裏両面に組み込むという構成です。そこに、カシオがこれまでこだわってきた"手にフィットする持ちやすさ"、"片手での開きやすさ"、"キーの打ちやすさ"などをきっちり盛り込みました。
――端末を開くと、従来モデルとは異なる特徴的なデザインが施されたダイヤルキーが目を引く。"イントレチャートキー"と名づけられており、各キーが交互に違う向きに隆起する形状になっている。
花房氏 イントレチャートは「編み込み」という意味ですが、革や籐で編まれた家具等からヒントを得てデザインしました。縦編みと横編みの形を再現する事により美しい市松状のハイライトが得られることに加えて、隣り合うキートップの膨らみ方に違いがあるため、個々のキーが判別しやすく、押しやすさも向上しています。
――タッチパネルという新しいUIを採り入れながらも、従来のキー入力の向上も目指す。これは、ユーザーから使いやすさが高く支持されているカシオ計算機ならではのプライドとも言えるだろう。
花房氏 ここ数年のケータイの薄型化トレンドの中で、キーの押しやすさが置き去りにされているように感じていました。また、角張ったデザインのケータイばかりが増えていることにも「これでいいのかな」と疑問を感じていました。それは世の中のトレンドとして無視できない部分もありますが、カシオが考える使いやすいケータイとはどういうものか? その原点を見直すことから始めて、このデザインに辿り着きました。
――背面パネルには、前モデルW61CAにはなかったサブディスプレイが搭載されている。メッシュ状のパネルに7×17灯のLEDが仕込まれており、アンバーイエローで現在時刻や着信、電波状態などを確認できる。これもユーザーの要望に応えて採り入れられたものだ。