GeForceグラフィックスカードによるPhysX

GeForceグラフィックスカードでPhysXを利用する際、どのような構成が必要か。実のところ敷居は低く、最低限の動作条件となるのはCUDAに対応したGeForce 8シリーズ以降のグラフィックスカードのみ。それも(実際のゲームを快適に楽しむにはそれなりに高性能なカードが必要となるが……)1枚のカードだけで利用できるため、GeForceユーザーのほとんどのユーザーは今すぐにでも利用できるのだ。

より強力はハードウェアを求めるタイトルやPhysXをさらに快適に楽しみたい場合には、もう1枚GeForceグラフィックスカードを追加することで、1枚目のカードを3D描画用に、2枚目のカードをPhysX処理用として分担させることも可能だ。

複数枚のグラフィックスカードを挿すというとSLIを思い浮かべるが、PhysXを利用する際には2枚のグラフィックスカードを同じ製品で揃える必要はない。さらにSLIのようにチップセットの制限も無いため、単純に複数枚のグラフィックスカードを搭載できるマザーボードであれば利用できる。

もちろん、SLIコネクタを使用する必要も無く、これら複数の点でSLIよりも敷居が低い。なお、NVIDIAではグラフィックスカード2枚をともに3D描画用に用いる通常のSLIと区別するため、一方のグラフィックスカードを画面描画用に、もう一方のカードをPhysX用に使用する組合せを「SLI PhysX」と定義している。

■GeForce 8シリーズ以降のグラフィックスカード構成
1つのGPUを3D描画に利用1つのGPUを3D描画とPhysXに利用2つのGPUを3D描画に利用→SLI2つのGPUで1つを3D描画に、もう1つをPhysXに利用→SLI PhysX

実際のシステム設定についても紹介しておこう。まずGeForceのForcewareドライバだが、最新の181.22にはPhysXドライバが統合されているので、これを導入すればそのままPhysXが利用可能となる(181.22以外でも別途NVIDIA PhysX System Softwareを導入することでも利用可能)。サポートOSにはWindows Vista 32bit/64bitのほかWindows XPも含まれており、Vistaのみということも無いようだ。

これらドライバを導入後のNVIDIA Control Panelには「Set PhysX Configuration」が追加されている。これでPhysXのオン・オフを切り替えられるとともに、2枚以上のグラフィックスカードを用いた環境ではどちらのGPUをPhysX用に用いるかを設定できる。

PhysXのコンフィグレーションはNVIDIA Control Panelの「Set PhysX Configuration」から行う