手ブレ補正はさらに進化

オートフォーカスそのものは快適で、不満は感じなかった。AFポイントを中央固定にすれば、ブランコも追いかけてくれた。ただ、レリーズしてからワンテンポ遅れてAFやシャッターが動く感じがする。

AFポイント(測距点)は十字形に配置された5点を装備しているが、自動選択(ワイド)か中央固定(スポット)の選択となる。また、合焦点が光るスーパーインポーズは装備しない。

ボディ内の手ブレ補正は、だいたい2段程度の効果が確認できた。最大補正値ではK20DやK200Dと変わらなかったが、K-mのほうが幅広い域で、安定して効果が得られるようだ。また、取扱説明書によると三脚撮影では手ぶれ補正オフを推奨しているが、セルフタイマーにすると自動でオフになる。これは便利だと思う。

少々気になったのは、マウント脇にある「MF/AF」ボタンが簡単に動いてしまうことだ。これが中間の位置になることもあり、そうするとAFが動作しない。正しく「AF」に合わせればいいのだが、最初はすぐに原因が分からず戸惑ってしまった。

手ブレ補正の効果をチェックした。オンとオフで10カットずつ撮影し、ヒット率を比べたのが右のグラフ。最大で2段程度の効きだが、安定して働いているようだ。[DA L 50-200mm F4-5.6 ED / 2M+S.Fine(JPEG) / 95mm(143mm相当) / シャッター速度優先AE / ISO オート / WB:オート / CI:ナチュラル]

コンティニュスAF(AF.C)でブランコを連写した。中央は測距点を中央固定(スポット)、右が自動選択(ワイド)で撮影したもの。[DA L 18-55mm F3.5-5.6 AL / 2M+S.Fine(JPEG) / 40mm(60mm相当) / シャッター速度優先AE(1/125秒) / ISO 200 / WB:オート / CI:鮮やか]

高感度ノイズはそこそこ。バッテリーはけっこう持つ

高感度撮影時のノイズは少ないようだ。ISO 400まではノイズはまったく見られず、ISO 800でわずかにざらつきが発生し、ISO 1600では若干の色ノイズが現れる程度。しかしISO 3200では急激に像が荒れ、色も変わってしまう。ISO 800か1600を限度に使うのが良さそうだ(高感度NR オフ:初期状態)。

高感度NRは確かに効果があるが、強くかけるとそのぶん像がゆるくなる。「微弱」「弱」「強」の3段階だが、「微弱」ではノイズのざらつきのトゲトゲ感が少し弱まるようで、これはなかなかいい。「弱」にすると像のエッジが溶け始める。「強」ではかなり像がゆるくなるので、レタッチソフトでぼかしたほうがいいかもしれない。オススメは、「微弱」+最高ISO 1600だ。ちなみに高感度NRは、ISO 400以下ではほとんど働かない。

バッテリーはけっこう持ちがいい。単3形電池を使う一眼レフはあまり撮れないというイメージがあったが、K-mに三洋の「エネループ」を入れて使ったところ、約400カット撮影して電池残量が半分になった(ストロボはほとんど未使用)。まずまず持つほうではないだろうか。

ISO感度を変更して撮影し、ノイズの発生をチェックした。以下は中央部をトリミングしたもの。特に指定したもの以外は、初期状態のノイズリダクション(高感度NR)オフで撮影している。[DA L 18-55mm F3.5-5.6 AL / 10M+S.Fine(JPEG) / 55mm(83mm相当) / プログラムAE / WB:オート / CI:ナチュラル]

ISO 100

ISO 200

ISO 400

ISO 800

ISO 1600

ISO 3200

高感度NR:微弱 ISO 800

高感度NR:微弱 ISO 1600

高感度NR:微弱 ISO 3200

高感度NR:弱 ISO 800

高感度NR:弱 ISO 1600

高感度NR:弱 ISO 3200

高感度NR:強 ISO 800

高感度NR:強 ISO 1600

高感度NR:強 ISO 3200