ペンタックスから「K-m」が発売された。エントリー層にターゲットを絞ったコンパクトなデジタル一眼レフだ。この「K-m」をレポートしよう。価格はオープンだが、実勢価格はボディ単体が6万1,000円前後、「DA L 18-55mm F3.5-5.6 AL」をセットにしたレンズキットが6万4,000円前後、さらに「DA L 50-200mm F4-5.6 ED」を加えたダブルズームキットが7万3,000円前後のようだ(価格はいずれも1月15日現在のマイコミジャーナル「価格情報」の平均価格)。また、2008年12月24日に白いボディとレンズの「K-m ホワイト レンズキット」が発表された。こちらは7万円台半ばになる模様。発売は2009年1月下旬を予定している。
シンプル&コンパクトが魅力
ペンタックス「K-m」は非常にコンパクトなデジタル一眼レフカメラだ。K-mのWebサイトを見れば、ターゲットユーザーをファミリー層に置いていることがひと目でわかる。
K-m登場以前、ペンタックスは上位モデルの「K20D」と、エントリー向けの「K200D」という2モデル体制だった。K200Dはエントリー向けといっても防塵防滴性能を重視するなど、ちょっと上のモデル。ファミリー向けのK-mが加わり3モデル体制になったが、K-mが登場してすぐにK200Dが生産終了になってしまった。K200Dの後継は2009年夏に登場するとのことだが、しばらくはK20DとK-mという2モデルのようだ。
また、K-mのホワイトモデルが発売される。現物に触れていないが、写真を見た限りでは、非常に印象的な色でいい感じだ。発売は限定3,000台とのことなので、手に入れるなら早めに予約をしたほうがよさそうだ。
専用ヘルプボタンで始めてでも迷わない
K-mの撮像素子はAPS-Cサイズ、有効1020万画素。ISO感度はISO 100-3200で、連続撮影枚数は最高で秒3.5コマ。ごくスタンダードなスペックだ。最高で約4段分の効果がある手ブレ補正機構をボディ内に搭載する。液晶モニターは23万ドットの2.7型を装備。ライブビュー機能は搭載しない。
ファミリー向けということもあり、ヘルプ機能にチカラを入れている。専用の「?(ヘルプ)」ボタンを設け、ボタンや機能の役目がすぐに調べられるようになっている。シーンモードでは「ペット」や「料理」、「キッズ」など、多くのモードを用意。被写体に合わせて簡単に撮影できるようにした。また、「デジタルフィルタ」機能を用意し、「トイカメラ」や「ソフト」など、遊び感覚でカメラが楽しめるような工夫もされている。
K-mの特長のひとつは乾電池で使えること。よく言われるのは旅行先などでバッテリーが切れた場合に、乾電池ならすぐに手に入るというメリットだが、普段カメラをあまり使わない人にとってこそ便利な機能だと思う。ファミリーユースでは、カメラは普段しまっておき、運動会などのイベントに引っ張り出してくるという使い方も少なくないだろう。充電を忘れていて使えないということにもなりかねない。充電が不要なK-mなら、そんなシーンでも安心だ。もちろんランニングコストを考えるなら、充電式の単3形バッテリーがお勧めだ。
シェイプアップした専用レンズ
セットレンズとして組み合わせられるレンズは、「DA L 18-55mm F3.5-5.6 AL」と「DA L 50-200mm F4-5.6 ED」だが、どちらもK-mの専用品。単品での発売は行なわれない。といっても、それぞれ「DA 18-55mm F3.5-5.6 AL II」、「DA 50-200mm F4-5.6 ED」のレンズ構成、性能はそのままに、軽量化を図ったもの。それぞれ20グラム軽くなっている。レンズ名にある「L」の文字で見分けるといいだろう。
また、K-mホワイトモデルでセットになる「DA L 18-55mm F3.5-5.6AL white」も、ホワイトモデル専用のレンズであり、単品販売は行なわれない。