――こういったサービスへの関心の高まりは、アジア全域で起こっている動きなのでしょうか
やはりこうした取り組みはトラフィックが多い国が中心で、日本、韓国、中国の3国が中心で、他はシンガポールでセキュリティとしての活用が進んでいるといった感じです。
ある程度トラフィックが無いと当社の機器の性能を発揮できないのもありますが、Linuxベースのシステムですから、サービスの提供側もある程度技術を持っており、自分達がやりたいことが細分化してきているところから普及が進んでいるといった感じですね。
――買ってきて、据え付けて立ち上げれば後は自動で決まったことをやってくれるアプライアンスとは違い、Bivioの機器はやりたいことをはっきりさせる必要があると?
Bivio 7000シリーズなどは、そもそも何を載せなくてはいけないのかが明確になっていないと使うのが難しい機器ではあります。これからブロードバンドが普及していくような国では、日本がすでにぶつかったような問題にまだ直面しているわけではありません。そうした部分では、まだここまでのニーズが出てくるのはしばらく後だと思っています。
Bivio Networksはネットワーク機器のベンダです。実際にはアプリケーションの開発が一緒になったり、アプリケーションやISPのサービスに関する知識といった、従来のネットワークエンジニアリングよりも、もう少しアプリケーションに近い知識などが必要とされており、そういった意味ではネットワークとコンピュータの垣根がなくなってきて、どこまでがネットワークで、どこまでがコンピュータなのかが曖昧になってきていると思います。
今回CTCと販売契約を締結しましたが、そういった意味では、サーバを中心としたコンピュータの販売ノウハウを持ちながら、ネットワークに対する知識も持っており、かつ人材も豊富に有している。我々がもっとも組みたいと思っていたパートナーの1社であり、戦略的には最適なパートナーであると思っており、CTCのこうしたノウハウをフルに活用できるのが我々の機器であると考えて契約を取り交わしました。
――CTCはBivioが日本で活動する上での中心的な役割になると?
日本はブロードバンドの使い方としては、かなり先行している地域ですし、そういった意味では重要なマーケットです。また、セキュリティに対しても、ISPなどの次のビジネスとしても、当社が提唱してきたことが当てはまるのが日本であり、そうした市場での成長を考える上では重要な役割を持つと思っています。
ネットワークの成長は今後も止まることはないでしょう。金融不安により、外出が控えられる結果として、より成長する可能性もあります。そういった意味では2009年も悲観していません。グローバルに見ても、政府系やエンタープライズ、ISPといった特定のセクタに特化したビジネスをしてきたわけではありません。その結果として、2006、2007年度と年率100%成長を達成しましたし、市場が減速した2008年度(2009年1月末締め)も100%までは行かないまでも、それに近い成長となる見込みで、2009年度も高い成長率は維持できると考えています。
また、端末の多様化も進むことが考えられます。今、ネットワークにつながっている機器はパソコンか携帯電話が主ですが、コンシューマではTVや家電などの接続も現実に始まっています。そうなると、何がネットワークにつながっているのかを意識する必要が出てくるでしょうし、その結果としてトラフィックの種類も変わっていくでしょう。
Fixed Mobile Convergence(FMC:固定網と移動網の収束)やフェムトセルのようなものの登場による、何がどこから流れているか(アプリケーションや端末)を意識する必要がより重要になってくる可能性もあります。
そうした意味では、端末の多様化によりQoSの役割も変わるかもしれません。例えば、こうした端末がこうした使い方をした場合、ある優先順位の処理をします、といった端末とアプリケーションに基づいた細かなサービスの提供が可能となる可能性もあります。そうしたサービスを実現するためには、やはり正確にパケットを見極める必要がありますし、DPIを活用する必要があります。
――最後に2009年、目標とするところを教えてください
ビヴィオネットワークスとしては、ISPの新規ビジネス開拓を進め、サービスを提供する側にも、サービスを提供される側にもメリットがあるようなサービスのプラットフォームとなって、ある意味、DPIのデファクトになれれば良いと思っています。
もう1つは、Bivio Networksが以前から提唱してきたアプライアンスプラットフォームというこれまでのネットワーク機器になかったカテゴリを認識してもらい、マーケットに浸透させていければと思っています。
――ありがとうございました