2008年4月にネットワークアプライアンス「Bivio 7000 シリーズ」の販売を開始するなど、日本でのビジネス拡大に向けた戦略を進める米Bivio Networks。同社は、2008年12月に伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)と販売契約を締結、日本市場におけるDPI(Deep Packet Inspection)の拡販を目指すほか、同月25日には、CTCやベンチャーキャピタル(VC)など複数の出資者より合計で1,580万ドルの投資を確保したことを明らかにした。2008年秋頃から本格化した金融不安の中、VCなどから投資を受けられた背景などについて、同社日本法人ビヴィオネットワークスの代表取締役である兵頭弘一氏に話を聞いた。

Bivio Networksの日本法人ビヴィオネットワークス 代表取締役の兵頭弘一氏

――2008年も押し迫った12月25日、複数の出資者から1580万ドルの投資を確保しました。この時期にこれだけの投資額を確保できた背景はどこにあるのでしょう

確かに世界の市況は厳しい見通しが続いていますが、そのような状況下において、これだけの投資額を確保できたことに対して、高い評価をいただいていると思っています。

というのも、そもそもの技術基盤がしっかりしている点と、それなりの顧客がいることが当社の信用を高めていると思います。

まず技術基盤としては、ネットワーク上には、多量の音声や動画、テキストなどがさまざまな情報が流れるようになっていますが、その流れていくものをどれだけ正確に誰と誰がどのような情報をやり取りしているのか、あるいは出て行ってはいけない情報が流出していないか、アクセスすべき人のみがアクセスしているのか、ということをより正確に見極めるためには、既存のネットワーク機器では難しいのが実情です。そのため、そうしたことが可能な我々の機器の採用が進んでいるのだと思っています。

また、それなりの顧客というのは、詳しくは言えませんが、例えば米国では政府関連、特に州単位ではなく国家規模で安全を司る場所、例えばアメリカ国防総省 (United States Department of Defense:DoD)などでの導入が進んでいるということです。

こうした政府機関などでは、サードベンダのものを買ってきて、そのまま導入という訳には安全面からいきません。その点、Bivio7000シリーズは、Linuxベースのシステムであり、秘密裏にそういった機関がアプリケーションを開発することが可能であり、ベンダに依存しないで開発できることが評価されているのだと思います。

――ちなみに今回の投資は、どの程度の企業が関与しているのでしょう?

今回は、日本から伊藤忠商事、CTC、クロステクノロジー・ベンチャー・パートナーズが出資者として加わり、InterWest Partners、Storm Ventures、Venrock AssociatesおよびGoldman Sachsより前回と同様に投資をいただきました。

ちなみに、先ほど米国では政府関連での導入が進んでいると述べましたが、日本やアジアでは若干異なる動きを見せています。